科目責任者 | 市倉 加奈子 |
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担当者 | 田ヶ谷 浩邦※, 市倉 加奈子※ |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [保健衛生学科 臨床心理学コース] |
心理学においては、調査・実験などの手法を用いて、その真理を科学的に検証する。本科目では、論文執筆に至るまでに必要な研究に関する基本的知識および技術を習得し、科学研究を実施する手続きの理解を目指す。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の②⑤に関連する。
【教育内容】
まず研究を計画する準備として、研究仮説の立て方、論文の基本構成、研究デザイン、研究倫理について学び、研究の読解と計画における基礎を身につける。つぎに、研究手法(調査・実験)の選択、尺度の種類、統計解析手法の選択、統計解析の実施について学ぶ。さいごに科学論文を執筆するための基本的知識として、パラグラフ・ライティングや投稿ガイドラインについて学び、調査・実験を一つの論文として構成する実践的スキルを演習形式で身につける。
【教育方法】
授業形態:講義
対面で講義を行い、演習における課題提出により理解力の確認を図る。講義では研究の立案から執筆に至るプロセスについて、個人課題およびグループワークを通して体験的に学び、より実践的な理解を目指す。
【フィードバック】
授業で実施した課題やワークについて授業内に各自発表してもらい、その内容についてさらにグループ討議を行ったり、教員からコメントを返す形でフィードバックを行う。また提出された課題に対してはコメントをつけて返却する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1~2回 | 【対面】 研究計画の立案 | 研究立案の基礎(研究仮説(PECO/PICO)、論文構成(IMRAD)、研究デザイン(調査/実験)、研究倫理)について講義・演習形式で学び、研究目的を明確化し、研究計画を立案するスキルを身に付ける。 | 市倉 加奈子 | 4/10④⑤ |
第3~4回 | 【対面】 序論の執筆 | 文章執筆の基本(パラグラフ・ライティング、科学論文におけるガイドラインおよび投稿規定)、文献整理(文献検索、引用の書き方)について講義・演習形式で学び、序論を執筆する力を身に付ける。 | 市倉 加奈子 | 4/17④⑤ |
第5~7回 | 【対面】 統計解析の理論 | 統計解析(尺度の種類、検定と推定の考え方、統計解析手法の選択)について講義・演習形式で学び、研究目的に合わせて統計解析を選択・実施するスキルを身に付ける。 | 市倉 加奈子 | 5/7③④⑤ |
第8~10回 | 【対面】 方法と結果の執筆 | 執筆ガイドラインについて学び、調査/実験の手続きについて記載すべき項目について講義・演習形式で学び、方法および結果を執筆する力、図表を作成する力を身に付ける。 | 市倉 加奈子 | 5/14③④⑤ |
第11~13回 | 【対面】 考察の執筆 | 文章執筆の基本(パラグラフ・ライティング、執筆ガイドライン、投稿規定)、文献整理(文献検索、引用の書き方)について復習したうえで、考察で論じるべき内容について議論し、考察を執筆する力を身に付ける。 | 市倉 加奈子 | 5/22③④⑤ |
第14~15回 | 【対面】 統計解析の実践 | 統計ソフトJMPについてその特徴・使用方法について解説、演習を行う。 | 田ヶ谷 浩邦 | 6/9④⑤ |
◆実務経験の授業への活用方法◆
臨床心理士としての研究の経験を踏まえ、臨床現場に生かす科学研究の実施に関する講義を行う。
先行研究から必要な情報を収集し、自ら仮説を立てることができる。その仮説を検証する上で望ましい研究デザインを選択し、調査・実験の方法論を計画することができる。科学論文を執筆する際の必要事項について基本的知識と技術を習得し、卒業研究の準備・執筆を自ら進めることができる。
課題(50%)/参加態度(50%)
【授業時間外に必要な学習の時間:60時間】
予習:講義内で実施する演習のために、指示された教材を事前に確認しておくこと。
復習:授業で配布した資料や教材の内容を振り返ること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | (なし) | ||
参考書 | リサーチクエスチョンの作り方 第3版 | 福原俊一 | 特定非営利活動法人健康医療評価研究機構 |
参考書 | 医学的研究のデザイン 第4版 | 木原雅子・木原正博 | メディカルサイエンスインターナショナル |
参考書 | 論理が伝わる書く技術 | 倉島保美 | 講談社 |
大学院の臨床心理学コースへ進学を希望する保健衛生学科の学生は必ず受講すること。
科目ナンバリングコード:HS201-CP13