科目責任者 | 大場 謙一 |
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担当者 | 大場 謙一※, 川上 文貴※ |
科目概要 | 2・3・4年 (1単位・選択) [保健衛生学科 環境保健学コース, 臨床心理学コース] |
●2学年環境保健学コースの学生は、必修科目と同時開講のため、2025年度は履修できない。
●2・3学年臨床心理学コースの学生は、必修科目と同時開講のため、2025年度は履修できない。
環境予防医学は、一般生活の室内および室外環境と職場の労働環境に存在する外的環境要因が引き起こす健康障害やその作用機序を明らかにし、疾病を予防するための学問である。環境中の有害化学物質がヒトの健康に与える悪影響を理解し、これらの化学物質が慢性疾患やガンを引き起こす可能性について学ぶ。
この実習では遺伝子レベルでの健康影響に着目し、有害化学物質の曝露が遺伝子にどのように作用するか、また遺伝子の多型性が個人間の感受性にどのように影響するかを分子生物学的手法を用いて調べる方法を学び、有害化学物質曝露による疾病の予防につながるアプローチを理解し、外的環境要因が人の健康に与える影響についての理解を深めることを目的とする。この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の②に関連する。
【教育内容】
予防医学の研究に必要なmRNAの発現やタンパク質の発現および翻訳後修飾の解析に関する基本的な実験手法について解説する。PCR法による遺伝子多型の解析法やウエスタンブロッティングによる特異的なタンパク質の検出法などの分子生物学・遺伝子工学の基礎的な実験手法を学ぶ。
【教育方法】
授業形態:実習・実技
分子生物学・遺伝子工学の基礎的な実験手法を解説し、実際に実験を行う。実験結果を解釈し、考察とともにレポートにまとめる。対面実習として実施する。
【フィードバック】
学生から出た質問は講義内でフィードバックし、必要な場合には次回の講義で振り返りを実施する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1~3回 | オリエンテーション | 分子生物学的手法について説明を行う。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 5/7③④⑤ |
第4~9回 | 分子生物学的手法 | ファージDNAを制限酵素で消化し、アガロース電気泳動を行い消化された核酸を分離する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 5/8③④⑤ 5/9③④⑤ |
第10~15回 | 遺伝子多型解析 -デルタアミノレブリン酸脱水素酵素遺伝子の多型解析- | 血液からゲノムDNAを抽出する。デルタアミノレブリン酸脱水素酵素遺伝子をPCR法で増幅させる。増幅したPCR産物を制限酵素で消化する。 消化したDNAを電気泳動を行い、多型を調べる。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 5/14③④⑤ 5/15③④⑤ |
第16~21回 | 遺伝子発現解析 -メタロチオネイン遺伝子の検出- | total RNAを抽出し、cDNAを合成する。このcDNAを鋳型として、メタロチオネイン遺伝子の発現量をPCR法で検出する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 5/16③④⑤ 5/21③④⑤ |
第22~24回 | タンパク質解析(ウエスタンブロット)(1)タンパク質 | 培養細胞からタンパク質を抽出し、特異的抗体を用いてタンパク質を検出する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 5/22③④⑤ |
第25~27回 | タンパク質解析(ウエスタンブロット)(2)リン酸化タンパク質 | 培養細胞からタンパク質を抽出し、タンパク質の翻訳後修飾(リン酸化)に対する特異的抗体を用いてリン酸化タンパク質を検出する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 5/23③④⑤ |
◆実務経験の授業への活用方法◆
国内外の研究機関における経験を基に、予防医学の研究を行うための方法論を実習を通して教授する。
予防医学の研究を行うための生化学・分子生物学的実験方法ならびに、実験データの解析・解釈法を理解し、実施することができる。
実験態度とレポート(80%)、実習試験(20%)により評価する。また、実習中に口答試問を行い理解度を評価する。
【授業時間外に必要な学習時間: 4.5時間】
環境予防医学の講義内容を復習して受講の準備をすること。各実習項目については、実習中の演習課題を参考書や実習中に提供された資料を参考にレポートにまとめ復習する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 配布する実習テキスト | ||
参考書 | (なし) |
科目ナンバリングコード: HS304-EP22