科目責任者 | 市倉 加奈子 |
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担当者 | 三藤 敏樹※ |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [保健衛生学科 臨床心理学コース] |
(1)教育・学校現場おいて生じる問題およびその背景,心理社会的課題および必要な支援について基本的知識を習得する。
(2)教育・学校現場で生じる諸問題に対する心理学的アセスメントの視点や、心理学的援助の枠組みを実践的な観点から理解する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の②⑤に関連する。
【教育内容】
教育心理学および学校心理学の基礎理論や学問的背景を解説する。その上で、教育現場において生じる問題や心理社会的課題の性質について講義する。さらにこの授業では、事例を通じて、教育現場で起こる諸問題に対応する際に必要とされる、アセスメントの視点や心理学的援助方法について、ディスカッションを通して考察する。
【教育方法】
授業形態:講義
教科書及び配付資料、プレゼンテーションを用いた講義による知識の習得と、ディスカッションを通した技能及び思考力・判断力・表現力等の育成を目指して授業を展開する。 報道や文献、事例等を紹介し、講義のテーマをより幅広く、深く考察する。
【フィードバック】
授業ごとの振り返り等の記述に対し、次回以降の授業においてフィードバックを行うことで、各自の学びの調整と深化を促す。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 ガイダンスとオリエンテーション | ・全15回の授業の内容や授業方法について確認し、「教育・学校心理学」の学びに対する見通しをもつ。 ・授業の進め方、評価等について確認する。 | 三藤 敏樹 | 9/6③ |
第2回 | 【対面】 「教育・学校心理学」のとらえ方(第1章) | ・「教育・学校心理学」の学問的背景について学ぶ。 ・「実践心理学」としての「教育・学校心理学」の特徴を学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 9/6④ |
第3回 | 【対面】 教育・学校の組織・制度と支援の関係(第2章) | ・教育機関の法律上の位置づけについて学ぶ。 ・学校の組織と教育関連施設について学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 9/20③ |
第4回 | 【対面】 学習・授業の課題と支援(第3章) | ・子どもの学習不振及びそのアセスメントの視点について学ぶ。 ・子どもへの支援的な授業について学ぶ。 ・個別的な学習支援のあり方について学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 9/20④ |
第5回 | 【対面】 学級経営の課題と支援(第4章) | ・学級経営・学級集団について学ぶ。 ・学校教育の問題と学級集団との関わりについて学ぶ。 ・学級集団に起因する問題に対する支援のあり方について学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 10/4③ |
第6回 | 【対面】 生徒指導の課題と支援(第5章) | ・生徒指導とは何かを学ぶ。 ・普遍的な課題及び特殊的な課題について学ぶ。 ・スクールカウンセラー(SC)の職務内容について学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 10/4④ |
第7回 | 【対面】 キャリア教育の課題と支援 | ・キャリア教育とは何かを学ぶ。 ・学校段階ごとの課題と支援について学ぶ。 ・キャリア教育における公認心理師への期待について学ぶ | 三藤 敏樹 | 10/18③ |
第8回 | 【対面】 メンタルヘルス教育の課題と実践 | ・メンタルヘルスとメンタルヘルス教育について学ぶ。 ・メンタルヘルス教育と支援の実践について学ぶ。 メンタルヘルス増進に関する学校の取組について学ぶ。 ・教員のメンタルヘルスについて学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 10/18④ |
第9回 | 【対面】 健康教育の課題と支援 | ・学校における健康教育の意義について学ぶ。 ・子どもたちの健康課題とその対応について学ぶ。 ・健康教育の展望について学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 11/15③ |
第10回 | 【対面】 特別支援教育の課題と支援 | ・障害児・者に関わる法律や取組について学ぶ。 ・障害児・者の心理的特徴と支援について学ぶ。 ・学校教育における特別支援教育について学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 11/15④ |
第11回 | 【対面】 教育・学校をめぐる新たな課題と支援 | ・新たな課題とそれに対する公認心理師の立場や役割について学ぶ。 ・学級崩壊、要求の多い保護者への対応、子どもの貧困、児童虐待、その他の課題(外国につながる子ども等)について学ぶ | 三藤 敏樹 | 12/6③ |
第12回 | 【対面】 学校・教育システムの連携による支援(第11章) | ・教育機関としての学校について学ぶ。 ・家庭・学校間の連携、保護者との連携について学ぶ。 ・地域社会や関係機関との連携について学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 12/6④ |
第13回 | 【対面】 多様な職種によるチーム援助(第12章) | ・チーム学校における多職種連携について学ぶ。 ・チーム援助の方法について学ぶ。 ・チーム援助のコストパフォーマンスと今後の課題について学ぶ。 | 三藤 敏樹 | 12/20③ |
第14回 | 【対面】 教育・学校心理学に基づく公認心理師に求められる実践と役割 | ・教育・学校心理学の実践モデルである「心理教育的援助サービス」の枠組みについて学ぶ。 ・教育分野における公認心理師に求められる行為について学ぶ。 ・教育分野における公認心理師への期待と公認心理師活用の課題についえ学ぶ。 ・公認心理師資格取得に向けての今後の学修の見通しを持つ。 | 三藤 敏樹 | 12/20④ |
第15回 | 【対面】 振り返りとまとめ | ・ここまで14回の授業を通して学んだことを振り返り、教育・学校心理学と教育分野における公認心理師の役割についての考えをまとめる。 | 三藤 敏樹 | 12/20⑤ |
◆実務経験の授業への活用方法◆
公立中学校及び教育委員会事務局における36年の勤務(教諭・主幹教諭、指導主事、管理職)を通した学校における心理教育的援助の経験と、公認心理師・ガイダンスカウンセラースーパーバイザー・学校心理士として学校における心理教育的援助のサポートの実践から、教育現場で近年話題になっているトピックを取り上げ、心理職として学校・教育現場における子どもへの支援を行う際に求められる資質・能力や役割について共に学ぶ。
この授業の修了段階で、学生に育成したい資質・能力
・教育分野に関係する法律や制度の基本的事項を概説することができる。
・教育現場における諸課題や、児童生徒・保護者・教職員等における心理社会的課題について説明することができる。
・教育現場における心理教育的援助のあり方や具体的な支援方法について説明することができる。
・上記について根拠に基づいて考察し、自分の考えをまとめ、記述することができる。
【評価基準】
〇教育分野に関係する法律や制度の基本的事項の概説を理解し、記述している。
〇教育現場における諸課題や、児童生徒・保護者・教職員等における心理社会的課題について説明し、記述している。
〇教育現場における心理教育的援助のあり方や具体的な支援方法について説明し、記述している。
〇上記について根拠に基づいて考察し、自分の考えをまとめ、記述している。
【評価の方法】
〇毎回の授業におけるディスカッションと振り返りの記述、授業ごとの振り返り、期末試験の記述等により、教育分野における心理教育的援助に関わる知識及び技能及び教育分野における教育課題を考察する思考力・判断力・表現力等を評価するとともに、課題に対して粘り強い取組を行う中で自らの学びを調整する等の主体的に学習に取り組む態度をパフォーマンス評価によって評価する。
〇平常点(ディスカッションや振り返り)50%程度、期末試験50%程度として総合的に評価する。
授業時間外に必要な学習の時間:計60時間
〇予習
・教科書及び配付資料に目を通し、授業で学ぶ内容について身通しを持ち、授業における、議論のための資料を作成する。
・日頃から新聞、雑誌、報道番組等における教育関係の記事や番組に関心をもち、教育に関する課題について自ら学ぶことで、疑問点や考えを記録しておき授業に生かす。
〇復習
・まとまりごとの課題に対して、教科書及び授業の配付資料と、さらに必要と考えられる資料等に基づき、学修した内容を確認する。
・返却された各授業の終わりの振り返りを再確認し、今後の課題を明らかにする。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『教育・学校心理学』 | 小野瀬雅人(編著),下山晴彦他(監修) | ミネルヴァ書房 |
教科書 | 『学校教育臨床実践―子ども・教員・家庭を支える―』(仮題) | 日本学校心理士会神奈川支部(編著) | へるす出版(令和7年8月刊行予定) |
参考書 | 『生徒指導提要』(令和4年12月) | 文部科学省 | 東洋館出版社/ジアース教育新社(コンパクト版) |
参考書 | 『学校心理学ガイドブック』第4版 | 学校心理師認定運営機構(編) | 風間書房 |
参考書 | 『深堀り!関係行政論 教育分野』 | 高坂康雅(著) | 北大路書房 |
*必要に応じて資料(ハンドアウト等)を適宜配付する。
*「学び続ける心理職」を目指して、ともに踏み出しましょう。
科目ナンバリングコード: HS301-CP21