科目責任者 | 幅田 智也 |
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担当者 | 幅田 智也※, 横山 美佐子※, 畔柳 竜也※, 齋藤 拓※ |
科目概要 | 3年 (1単位・必修) [リハビリテーション学科 作業療法学専攻] |
Ⅰ)住環境整備からの生活環境調整の実践を学ぶ。
・ 生活環境と障がいの関係を理解し、作業療法士による住環境整備を理解する。
・ 学生は住環境整備の基本的な知識を学ぶ。
・ 学生は「住環境コーディネーター検定試験2級」に必要な知識を取得し実践レベルの技術を獲得する(毎年任意で学生は後期に受験し2級獲得している).
・ 学生は「建築CAD検定試験3級」に必要な知識を取得し住環境整備で実践レベルのComputer Aided Design(CAD)ソフトによる設計技術を獲得する。
Ⅱ)義肢や装具の処方及び治療戦略から生活環境調整の実践を学ぶ。
・ 義肢・装具の構造について理解を深め、その臨床的意義や導入のプロセスについて理解を深める。
・ 義肢装具学で学んだ知識と疾患の基礎知識とを統合し、作業療法対象疾患の障がい理解を深める。
・ 義肢装具学実習から作業療法実践能力の基礎を獲得する。
・ 義肢装具の作製、作製した装具の操作原理を理解する。
・ 障がいによる残存機能と装具の適応評価の方法を理解し、実践する。
・ 装具の保守管理技術能力を獲得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
Ⅰ) 住環境整備からの生活環境調整の実践を学ぶ。
ノーマライゼーション、バリア・フリー、ユニバーサルデザインを理解する。
住環境整備のための家屋図面の製図を行う。
障がいに合わせた増改築の提案ができその内容を設計できる。
さらに情報演習室でComputer Aided Design(CAD)ソフトを駆使し作図設計ができる。
Ⅱ)義肢や装具の処方及び治療戦略から生活環境調整の実践を学ぶ。
1)義肢・装具の基礎知識
2)義肢・装具の臨床的意義(代替手段として、治療的手段としての作業療法における装具療法)
3)義肢・装具の導入プロセス(装具の選定、適合、調整、処方)
4)義肢・装具に関連する支援システムと法制度
5)適合評価
6)切断者の作業療法
7)各種疾患に対する装具療法(理学療法における下肢装具とリハビリテーションの実践)
8)その他の装具、腕保持用装具
【教育方法】
授業形態:実習
・ 情報演習室でComputer Aided Design(CAD)ソフトを使用し、家屋の図面設計を行う。
・ 講義および環境調整に関する提案などグループ学習やアクティブラーニングを行う。
・ リハビリテーション機器を実際に使用し、演習を行う。
・ 装具、スプリントの作製と作製結果の報告を提出。さらに修正、改善案の計画と実践を行う。
・ 家屋の図面作成を行い、家屋調整の案を発表する。
その日の講義に対するまとめや課題は、その日の内に提出するものとする。可能な限り次の授業時に前回の内容をフィードバックし、課題の確認と前回授業の復習を行う。
【フィードバック】
講義実習の終了10分前に本日の内容と疑問点、聞き逃した内容など確認できるように努力いたします。講義実習終了後でも個人的に確認に来てください。
毎回の講義実習の開始30分程度時間を使い、前回までの講義実習内容の確認復習を行います。その時にも疑問点や理解困難などないかの確認します。勇気をもって質問してください。基本は高等学校教育の数学Ⅰ、基礎理科の知識があれば理解できるように授業設計しています。講義実習の最中でも講義実習の進行を止めて問題ありません、理解困難なところがあればその場で即質問してください。メールにての確認も受けています。すべての学生は、habata@kitasato-u.ac.jpに初回講義までに各自の学生メールから送信をお願いいたします。件名に「OT3年 学籍番号 氏名(フルネーム)」を入力し送ってください。
注意)個人情報になりますのでの個人所有の携帯メールからは送信しないでください。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 住環境整備における用語・定義 | ノーマライゼーション、バリアフリー、ユニバーサルデザインを理解する。CADソフトにて図形を描く。 | 幅田 智也 | 4/10④ |
第2回 | 【対面】 家屋の図面作製 (図面作り) | 住環境整備案の図面設計をする。 住環境整備案の作図をする。CADソフトにて間取り図面設計を行う。 | 幅田 智也 | 4/17④ |
第3回 | 【対面】 車椅子・杖 | 移動を支援する機器を理解する。CADソフトにて間取り図面設計を行う。 | 幅田 智也 | 4/24④ |
第4回 | 【対面】 住環境整備 | 住環境整備に関わる制度を理解する。CADソフトにて間取り図面設計や建具の作図を行う。 | 幅田 智也 | 5/8④ |
第5回 | 【対面】 移動支援を考える① (車いす) 車椅子のチェックアウト デザインを考える | 車いすの構造を理解する。 車いすの移動援助法を理解し、演習を行う。車椅子のチェックアウトを行う。CADソフトにて車いすのサイズと介助者スペースを配慮した間取り図面の設計を行う。 | 幅田 智也 | 5/15④ |
第6回 | 【対面】 移動支援を考える② (杖・歩行器・歩行車・手すり) | 杖の種類を理解する。 杖や歩行器、手すりを使用しての移動援助法を理解し、演習を行う。CADソフトにて対象者の動線と避難経路と安否確認とプライバシーを配慮した間取り図面の設計を行う。 | 幅田 智也 | 5/22④ |
第7回 | 【対面】 家屋の図面作製 (図案作り) | 住環境整備案の図面設計をする。 住環境整備案の作図をする。CADソフトにて間取り図面の設計を行う。 | 幅田 智也 | 5/29④ |
第8回 | 【対面】 家屋の図面作製 (図案の完成) | 住環境整備案の図面設計をする。 住環境整備案の作図をする。CADソフトにて間取り図面の設計を行う.グループ発表を行う。 | 幅田 智也 | 6/5④ |
第9回 | 【対面】 義肢装具学 義肢装具の基礎 三角巾の装着 | 義肢装具の概念を学ぶ 三角巾装着する。 [実習] | 幅田 智也 | 6/12④ |
第10回 | 【対面】 義肢装具学 上肢の機能 上肢の補装具① | 上肢機能を理解する。 上肢装具の目的、種類を学ぶ。 [実習] | 幅田 智也 | 6/19④ |
第11回 | 【対面】 義肢装具学 上肢の補装具② 体幹装具 | 上肢装具の portable spring balancer(PSB)とbalanced forearm orthosis (BFO), mobile arm suport (MAS)の原理とメカニズムを学ぶ。実際にセッティング方法と操作を実習し理解する。 [実習] 体幹装具の目的、種類を学ぶ。PSB,BFO,MASのセッティング方法と操作を実習し理解する。 | 幅田 智也 | 6/26④ |
第12回 | 【対面】 義肢装具学 スプリント① 安静肢位と静的スプリント 内部疾患、脳血管疾患における作業療法治療とスプリント療法 | 内部疾患、脳血管疾患の理解と作業療法治療戦略を学ぶ。 [実習]スプリントの作成を行う。 | 幅田 智也 | 7/3④ |
第13・14回 | 【対面】 義肢装具学 義肢(義足) 下肢装具・義足における理学療法学と作業療法 | 下肢装具・義足の目的、種類を学ぶ。歩行、移動手段における下肢装具、義足の効果的機能特徴を理解する。上記の理解から対象者に対する作業療法の協業は何かを学ぶ。 [実習]実際に各種の義足を触れ構造を理解するための実習を行う | 横山 美佐子 | 9/4③④ |
第15・16回 | 【対面】 義肢装具学 スプリント② 整形外科疾患における作業療法治療とスプリント療法 | 整形疾患の理解と作業療法治療戦略を学ぶ。 スプリントの作成を行う。 [実習]スプリントの作成を行う。 | 幅田 智也 | 9/11③④ |
第17・18回 | 【対面】 義肢(義手) 義手における作業療法治療戦略 能動義手 能動義手作製と動作原理の理解 能動義手の適合判定 筋電義手の動作原理と作業療法治療 | 切断患者の理解、上肢切断の名称、各パーツの名称と機能を理解する。 [実習]体験用前腕義手を作製する.実際にチェックアウトを行う。筋電義手の操作の実習を行う。 疾患別で理解しておくべき上肢機能不全と運動学、人間工学的分析に基づいた環境調整方法について学ぶ。 | 幅田 智也 | 9/18③④ |
第19・20・21回 | 【対面】 義肢装具学 義肢(義手) 義手における作業療法治療戦略 能動義手 能動義手作製と動作原理の理解 能動義手の適合判定 筋電義手の動作原理と作業療法治療 | 義手のチェックアウト(適合判定)を行い、作業療法としての介入を検討する。 筋電義手における作業療法治療を理解する。 筋電義手の操作原理を理解し、操作の実践を行う。 [実習] 体験用前腕義手を作製する.実際にチェックアウトを行う。筋電義手の操作の実習を行う。 | 幅田 智也 畔柳 竜也 齋藤 拓 | 9/27①②③ |
第22・23回 | 【対面】 義肢装具学 スプリント③ 作業動作における上肢作業動作機能性の獲得を戦略とした作業療法治療とスプリント療法。 | 切断患者の理解、上肢切断の名称、各パーツの名称と機能を理解する。 [実習]体験用前腕義手を作製する.実際にチェックアウトを行う。筋電義手の操作の実習を行う。 疾患別で理解しておくべき上肢機能不全と運動学、人間工学的分析に基づいた環境調整方法について学ぶ。 国際的先端レベルの生活環境調整の動向を学ぶ。 | 幅田 智也 | 10/2③④ |
第24・25回 | 【対面】 環境調整とリハビリテーションと作業療法治療の流れ | 疾患別で理解しておくべき上肢機能不全と運動学、人間工学的分析に基づいた環境調整方法について学ぶ。 国際的先端レベルの生活環境調整の動向を学ぶ。 [実習] 国際福祉機器展(International Home Care & Rehabilitation Exhibition (H.C.R)2024) 参加リハビリテーションにおける生活環境調整をまとめ、住環境整備と福祉機器と義肢装具療法を駆使した作業療法治療戦略をまとめる。グループワーク後、作業療法における生活環境調整学の意義を説明する。 | 幅田 智也 | 10/9①② |
第26回 | スプリント作製 ④ 日常生活活動動作の自立と機能的スプリントと自助具 | ユニバーサルホルダを作製する。工業用ミシンの使い方を習得する。 機能的把持用スプリントの理解と作製 | 幅田 智也 | 10/16③ |
第27回 | スプリント作製 ⑤ 手のアーチと機能肢位とモデル | 手のアーチを理解する。スプリント作製技術である陰性モデル陽性モデルの作製能力を習得する。 | 幅田 智也 | 10/23③ |
第28回 | 【対面】 義肢装具学 義肢(義手) 義手における作業療法治療戦略 能動義手 (治療用装具、機能の理解) | 義手のチェックアウト(適合判定)を行い、作業療法としての介入を検討する。 筋電義手における作業療法治療を理解する。 筋電義手の操作原理を理解し、操作の実践を行う。 [実習] 体験用前腕義手を作製する.実際にチェックアウトを行う。筋電義手の操作の実習を行う。 | 幅田 智也 | 11/6③ |
第29・30回 | 【対面】 義肢装具学まとめ 義肢(義手) 義手における作業療法治療戦略 装具 上肢装具における作業療法治療戦略治療用装具、機能の理解) | 切断患者の理解、上肢切断の名称、各パーツの名称と機能を理解する。 疾患別で理解しておくべき上肢機能不全と運動学、人間工学的分析に基づいた上肢装具や環境調整方法について学ぶ。 | 幅田 智也 | 11/13③④ |
作業療法の治療戦略に基づいた物理的環境の調整と装具療法を正しく理解し、生活環境調整学を学ぶ。
◆実務経験の授業への活用方法◆
関東労災病院と北里大学東病院での30年以上の臨床経験を踏まえ、実際の臨床場面で行われる住環境の評価と住環境整備の立案を実習します。同様に福祉用具、義手、義足、補装具の適応と処方に関して実習します。実際に補装具、義手の作製を行い事例を通じて、作業療法の治療戦略を教授します。
参考書であげた幅田の著書を参考資料として活用し、疾患における身体障がいの理解と対応方法、生活環境に関する評価と実践、福祉機器の活用方法を具体的に実習を通し教授します。
・ OTに必要な基礎的な義肢・装具の知識を学習し、臨床場面での適合方法がわかる。
・ 福祉用具の取り扱いや入手方法が説明できる。
・ 障がいごとに何が生活環境のバリアになる可能性があるのかを分析し問題点や課題を示すことができる。
・ 種々の身体障がいに対し住環境整備の提案ができる。
・ 製図にて住環境整備の計画を表現でき、他の人に説明できる。
・ 家屋の設計図を作成できる。CADソフトにて間取り図面の設計を行うことができる。
・ OTに必要な基礎的な義肢、装具、車椅子の知識を基に、臨床場面でスプリントの作製及び義手のソケット、アライメントの修正、車椅子の福祉用具の適合判定ができる。
・「住環境コーディネーター検定試験2級」に必要な知識を取得し実践レベルの技術を獲得する(毎年任意で学生は夏休みまたは後期に受験し住環境コーディネーター2級獲得している).
・「建築CAD検定試験3級」に必要な知識を取得し住環境整備で実践レベルのComputer Aided Design(CAD)ソフトによる設計技術を獲得する。
定期試験(40%)、グループ討議内容(20%)、装具作製(20%)、課題レポート(20%)にて総合的に成績評価を行う。
・事前に教科書、配布プリントに目を通して実習内容の概要程度を把握しておくこと。
・装具や義手は義肢装具室にあるので各自、実際に触ることで使用目的、使用方法を理解する時間を設けること。
・スプリント作製は実習時間以外でも実施可能ですので、興味を持ち自主的に作製したい場合には事前に申し出てください(材料の準備等を行なっておきます)。
・各実習内容は実習時間内で完成させられるよう設計しています。課題やスプリント作製のみで終了するのではなく、その課題のまとめと自己評価の報告を提出するまでを実習課題とします。自宅に持ち帰りの宿題とはしません。課題や作業遂行には個人差があって当たり前です。とても細かく丁寧にしっかり作る人、迅速にこなし作製内容のポイントを優先させ理解する人さまざまです。どちらの能力も臨床現場では重要で要求される能力です。他人と比較するのではなく自分の潜在能力を大切にしてください。しかし、実習の流れに遅れそうに感じた場合は、すぐに相談してください。実習全体の内容を調整しながら、学生全員が実習時間内で終了できるように実習内容を修正しながら進めます。(時間外学習に必要な学習総時間:0 時間)
*実習時は、作業用の服装にて参加すること
・各自,一人ひとり情報演習室でCADソフト使用します。1年生に頂いた自分個人のアカウントを確認しておくこと。
初日から情報演習室で作業ができるように準備しておいてください。
・粉じん、油汚れ、転倒防止、工具や材料などが足の上に落としても怪我をしないような靴を使用すること。
・刃物使用や作業時による衣服の損傷と機械に巻き込まれないような安全を考慮した服装にて参加すること。
・爪は切っておくこと。
・各自自分用の軍手、マスク、目に対する安全のため飛散する材料破片などから目を守る防御用のゴーグルを準備して参加すること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 福祉住環境コーディネーター検定 2級テキスト 改訂版 | 東京商工会議所 | 東京商工会議所 |
教科書 | 義肢装具のチェックポイント 第7版 | 日本整形外科学会 日本リハビリテーション医学会 監修 | 医学書院 |
教科書 | 義肢装具学 作業療法学全書 第9巻 | 日本作業療法士協会監修 | 協同医書出版 |
参考書 | 福祉用具の使い方・住環境整備 作業療法学全書 第10巻 | 日本作業療法士協会監修 | 協同医書出版 |
参考書 | テクニカルエイド-福祉用具の選び方・使い方- | OTジャーナル | 三輪書店 |
参考書 | 手のスプリントのすべて | 矢崎繁 | 三輪書店 |
参考書 | 生活環境学テキスト第2版 | 細田多穂 村田 伸 幅田智也 | 南江堂 |
参考書 | 作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト 4 第2版 身体障害作業療法学 疾患別作業療法(中枢神経系)頭部外傷 疾患別作業療法(整形外科系)脊髄損傷 身体障害作業療法学 (循環器・呼吸器疾患・膠原病)関節リウマチ | 長﨑重信 幅田智也 | メジカルビュー社 |
参考書 | 移動・移乗の知識と技術 | 中山幸代 幅田智也 | 中央法規 |
参考書 | できる Jw_cad 8 パーフェクトブック困った!&便利ワザ大全 | 櫻井良明 & できるシリーズ編集部 | 株式会社インプレス |
科目ナンバリングコード: OT304-SS21