科目責任者 | 幅田 智也 |
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担当者 | 幅田 智也※ |
科目概要 | 3年 (1単位・必修) [リハビリテーション学科 作業療法学専攻] |
学生は生活環境と障がいの関係を理解し、作業療法士による住環境整備を理解する。学生は住環境整備の基本的な知識を学び、さまざまな障がいに対応した環境の調整する知識を修得する。住環境コーディネーターに必要な知識を取得し実践レベルの技術を獲得する。毎年多数の作業療法学専攻学生は、3学年終了時までに福祉住環境コーディネーター2級を取得している(本専攻学生第1期生から現在に至る)。
家屋の設計図面を作製に必要な知識を獲得する。手描きの図面作成またはコンピュータ支援設計Computer Aided Design (CAD)ソフトを使用し家屋の図面作成ができる。クライエント(対象者)の残存機能能力に合わせた住環境改造案を提案でき、製図することができる。建築CAD検定試験3級を獲得できるレベルの設計図面の理解能力を獲得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
心身状態により作業活動が不自由な状況であっても、生活環境を調整することで活動制限をなくすることができる。このことにより対象者(患者)が自分らしく生きることが可能となり、ICFにおける健康状態に向上させる作業療法治療実践を理解する。生活環境調整学におけるノーマライゼーション、バリア・フリー、ユニバーサルデザインを理解する。多種多様な医療福祉機器、補装具、義肢装具の特徴と原理を理解し環境調整学の知識を深める。住環境整備の方法論を理解する。住環境整備のための家屋図面の設計図の読解能力と製図方法を理解する。様々な障がいに対応した住環境の調整方法を理解する。疾患と障がい像を理解し、対象者(患者)の社会参加や家庭復帰に向けた作業療法治療戦略としての住環境調整や増改築の提案ができる。さらに、その内容を設計図面を使い建築主や当事者(利用者)や施工業者に説明できる能力獲得の学習をアクティブラーニングにて行う。
【教育方法】
授業形態:講義
教科書及び配布された資料をもとに住環境や体位移動の援助に関する補助具、医療福祉機器を学んでいきます。バリア・フリーやノーマライゼーション、ユニバーサルデザインの考え方をアクティブラーニングなどを利用し知識の共有と課題の確認を行います。そこから生活環境を調整することの意義の理解を促し様々な疾患や障がいに対する方法論と基本原理を教授します。その日の講義に対するまとめや課題は、その日の内に提出するものとします。可能な限り次の授業時にフィードバックし課題の確認と前回授業の復習を行います。
本生活環境調整学講義の内容に対し、「生活環境調整学実習」において実践的能力獲得のため実習や演習を行います。
【フィードバック】
講義の終了10分前に本日の内容と疑問点、聞き逃した内容など確認できるように努力いたします。講義終了後でも個人的に確認に来てください。
毎回の講義の開始30分程度時間を使い、前回までの講義内容の確認復習を行います。その時にも疑問点や理解困難などないかの確認します。勇気をもって質問してください。基本は高等学校教育の数学Ⅰ、基礎理科の知識があれば理解できるように授業設計しています。講義の最中でも講義の進行を止めて問題ありません、理解困難なところがあればその場で即質問してください。メールにての確認も受けています。すべての学生は、habata@kitasato-u.ac.jpに初回講義までに各自の学生メールから送信をお願いいたします。件名に「OT3年 学籍番号 氏名(フルネーム)」を入力し送ってください。注意)個人情報になりますのでの個人所有の携帯メールからは送信しないでください。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 住環境整備における用語・定義 | ノーマライゼーション、バリアフリー、ユニバーサルデザインを理解する。CADソフトにて図形を描く。 | 幅田 智也 | 4/10③ |
第2回 | 【対面】 住環境整備の実際 (福祉住環境整備の基本) | 自宅の家屋環境を理解する。住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)を理解する。 | 幅田 智也 | 4/17③ |
第3回 | 【対面】 生活環境調整学とICF 生活環境調整学における用語、定義 | 高齢者および障がい者に対する生活環境調整の施策の変遷とリハビリテーションと作業療法の理解する。 | 幅田 智也 | 4/24③ |
第4回 | 【対面】 住環境整備の実際 (住宅に必要な基礎知識) | 住環境整備のための留意点を習得する。日本の建築基準の理解とモジュールの知識を理解する。 | 幅田 智也 | 5/8③ |
第5回 | 【対面】 移動能力と生活環境調整 (車いす)(杖・松葉杖) | 車いすのタイプと構造、杖の構造および移動介助方法の理解する。 | 幅田 智也 | 5/15③ |
第6回 | 【対面】 作業活動能力と生活環境調整 (上肢装具・環境制御装置) | 義肢装具、上肢用装具の特徴と適応の理解する。 環境制御装置Environmental control system(ECS)とコミュニケーション機器の適応と理解する。 | 幅田 智也 | 5/22③ |
第7回 | 【対面】 住環境整備の実際 (トイレの基礎知識) | トイレ環境を理解する。 | 幅田 智也 | 5/29③ |
第8回 | 【対面】 住環境整備の実際 (浴室の基礎知識) | 入浴環境を理解する。 | 幅田 智也 | 6/5③ |
第9回 | 【対面】 住環境整備の実際 (寝室の基礎知識) | 寝室の環境を理解する。 | 幅田 智也 | 6/12③ |
第10回 | 義肢装具学 作業療法治療戦略の装具療法 義肢装具学の基礎 | 作業療法の治療戦略である装具療法を理解する。義肢装具の概念を学ぶ 装具の定義を理解する。 作業療法士と義肢装具士の違いを理解する. | 幅田 智也 | 6/19③ |
第11回 | 義肢装具学 上肢の機能の理解 上肢の補装具① | 運動学,解剖学で学んだ上肢機能の理解を復習し確認する. 上肢装具の目的と種類とその機能を学ぶ。 | 幅田 智也 | 6/26③ |
第12回 | 義肢装具学 上肢の機能 上肢の補装具② 体幹装具 | 上肢機能に障がいを呈する疾患と機能不全を起こすメカニズムを学ぶ。 上肢装具の目的と種類とその機能を学ぶ。 | 幅田 智也 | 7/3③ |
第13回 | 義肢装具学 内部疾患と脳血管疾患における作業療法治療と装具療法(スプリント療法) 上肢の機能 上肢の補装具 スプリント1 | 内部疾患と脳血管疾患における作業療法治療戦略を学ぶ。装具療法におけるスプリンティングのポイントを学ぶ | 幅田 智也 | 7/10③ |
第14回 | 義肢装具学 手指の機能とスプリント 静的スプリントと動的スプリント 手指の補装具 スプリントⅡ | 運動学やリハビリテーション医学で学んだ手指の機能構造を再確認し学び直す。様々な手指変形の メカニズムを学ぶ。動的スプリントと静的スプリントの違いを学ぶ | 幅田 智也 | 7/10④ |
◆実務経験の授業への活用方法◆
関東労災病院と北里大学東病院での30年以上の臨床経験を踏まえ、リハビリテーションにおける住環境整備と福祉用具の適応評価の捉え方を教授する。
参考書であげた幅田の著書を資料として利用し、疾患の理解と作業療法、作業動作障がいに対する対応方法、生活環境に関する評価、住環境整備の方法論等を概説する。
・作業療法に必要な基礎的な義肢・装具の知識を学習し、臨床場面での適合方法が分かる。
・福祉用具の取り扱いや入手方法が説明できる。
・障がいごとに何が生活環境のバリアになる可能性があるのかを分析し問題点や課題を示すことができる。
・種々の身体障がいに対し住環境整備の提案ができる。
・製図にて住環境整備の計画を表現でき、他の人に説明できる。
・住環境コーディネーター検定試験2級に合格可能な知識の獲得を目標とする。受験するしないは学生の任意である。受験時には合格できる知識レベルの獲得を目標とする(毎年数人が在学中受験し合格実績あり)。
・建築CAD検定試験3級を獲得できるレベルの設計図面の理解能力を獲得する。
家屋設計図と家屋調整案の提出(40%)、課題レポート(10%)定期試験(50%)で総合的に評価します。
・各回の講義内容を確認し、予習として講義の前までに該当部分の教科書を読んでおくこと。
・講義にて資料を配布する。その資料内に対応する教科書のページを記述し、また講義中にも示します。復習として実施した講義内容の資料と教科書をよく読み返し、理解を深めるために復習する時間を確保してください。(時間外学習に必要な学習総時間:17時間)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 福祉住環境コーディネーター検定 2級テキスト 改訂版 | 東京商工会議所 | 東京商工会議所 |
参考書 | 作業療法マニュアル6 障害者の住まいの工夫 | 日本作業療法士協会 | 日本作業療法士協会 |
参考書 | OT・PTのための住環境整備論 | 野村 歡 橋本美芽 | 三輪書店 |
参考書 | 福祉用具の使い方・住環境整備 作業療法学全書 第10巻 | 日本作業療法士協会監修 | 協同医書出版 |
参考書 | 高齢者・障害者の住まいの改造とくふう | 野村 歡 | 保健同人社 |
参考書 | バリア・フリーの生活環境論 | 野村みどり | 医歯薬出版株式会社 |
参考書 | 移動・移乗の知識と技術 | 中山幸代 幅田智也 | 中央法規 |
参考書 | 生活環境学テキスト第2版 | 細田多穂 村田 伸 幅田智也 | 南江堂 |
参考書 | 作業療法学 ゴールド・マスター・テキスト 4 第2版 身体障害作業療法学 | 長﨑重信 幅田智也 | メジカルビュー社 |
参考書 | できる Jw_cad 8 パーフェクトブック困った! &便利ワザ大全 | 櫻井良明 & できるシリーズ編集部 | 株式会社インプレス |
科目ナンバリングコード: OT301-SS20