科目責任者 | 河村 晃依 |
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担当者 | 河村 晃依※, 上出 直人※, 前場 洋佑※, 安藤 雅峻※ |
科目概要 | 3年 (1単位・必修) [リハビリテーション学科 作業療法学専攻] |
高齢者の特性および個人特性に加え、社会情勢・制度や環境を踏まえた、実践的でその人らしい作業療法アプローチを修得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
・高齢者を対象とした一連の作業療法評価・アプローチについて、演習及び学外実習を通じて修得する。
・認知症・障害当事者の社会生活障害について疾患・環境・個人特性から捉え、アプローチを検討する。
・介護予防の意義及び必要とされる作業療法士の役割について、講義および実習を通して学ぶ。
・高齢者の権利擁護および、最期までその人らしさを支えるケア・作業療法について理解を深める。
【教育方法】
授業形態:実習(学内および学外)
・パワーポイント、配布資料、視聴覚教材(DVD)を用いた講義および実習
・模擬症例のビデオをもとに評価演習・グループワーク・介入演習・発表
・認知症当事者らによる講義および当事者の生活課題に関するグループワーク・発表
・地域高齢者による介護予防活動への参加と協業
・障害当事者による講義とグループワーク・発表
・老年期作業療法評価実習への参加および、立案したOTプログラムに関するグループ発表
【フィードバック】
次の授業開始時に、前回内容の振り返りと解説を行う。
発表後は学生間での意見交換を行い、その内容を踏まえて教員からコメントする。
課題レポートは、提出後にコメントを付記し返却する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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1回 | 【対面】 老年期作業療法のプロセス(1)情報収集・観察・面接・検査測定 | 模擬症例に対する評価演習(情報収集・観察・面接・検査測定)を行う。 | 河村 晃依 | 5/22① |
2回 | 【対面】 老年期作業療法のプロセス(2)評価のまとめと解釈、全体像のまとめ・課題抽出・目標設定 | 模擬症例の評価結果から全体像をまとめる。課題を抽出し、症例の利点・課題に即した長期目標・短期目標を設定する(グループワーク)。 | 河村 晃依 | 5/22② |
3・4回 | 【対面】 老年期作業療法のプロセス(3)プログラム立案 | 目標達成に向けた効果的なOTプログラムを立案する(グループワーク)。 | 河村 晃依 | 6/5①② |
5・6回 | 【対面】 老年期作業療法のプロセス(4)プログラム実施準備 | プログラム実践における環境設定・段階付け・OTの関わり方について具体的に検討する(グループワーク)。 | 河村 晃依 | 6/12①② |
7・8回 | 【対面】 老年期作業療法のプロセス(5)発表会 | 立案したOTプログラムを発表し、意見交換する(発表・グループワーク)。 | 河村 晃依 | 6/19①② |
9回 | 【対面】 認知症(1)中核症状とBPSD | 認知症/MCIについて解説する。中核症状とBPSDについて、事例を通して解説する。 | 河村 晃依 | 6/25① |
10・11回 | 【対面】 認知症(2)生活障害 | 認知症者の生活障害について事例を通して解説する。 | 河村 晃依 | 6/26①② |
12回 | 【対面】 認知症(3)評価 | 認知症の評価尺度(診断、認知機能、ADL・IADL・QOL、行動・精神観察、MCI評価他)の特徴と使用方法について解説した上で模擬実践する。 | 河村 晃依 | 7/2① |
13回 | 【対面】 認知症(4)認知症ケア | 認知症ケアの基本的理念・技法について解説した上で、事例への対応について討議する。 | 河村 晃依 | 7/3① |
14回 | 【対面】 認知症(5)OTアプローチ | 事例を通して、認知症ケアにおける作業療法の視点について検討する。 若年性認知症者の支援、高齢者の自動車運転等についても近年の制度および作業療法の関わりを含めて解説する。 | 河村 晃依 | 7/3② |
15・16回 | 【対面】 介護予防と作業療法士の役割 | 介護予防に資する地域実践および倫理を知り、作業療法士の役割を検討する。 | 河村 晃依 | 7/10①② |
17・18回 | 【対面】 地域活動実習・老年期評価実習オリエンテーション | 実習の目的、評価内容・方法、課題等についてオリエンテーションおよび実践練習を行う。 | 河村 晃依 | 9/3①② |
19・20回 | 【対面】 地域生活実習(認知症当事者) | 認知症当事者同士の対話および当事者と学生の対話を通して、作業療法士に求められるコミュニケーションの質と姿勢について理解を深める。同時に、認知症当事者の社会参加と、伴走する作業療法士の役割についてレポートを作成する。 | 河村 晃依 | 9/5①② |
21・22回 | 【学外実習】 地域活動実習 | 地域高齢者の介護予防自主グループ活動・認知症カフェ活動に参加し、協業することで、地域高齢者の暮らしや課題を知り、身近な地域社会における活動の意義、作業療法士の役割について検討する。 | 河村 晃依 前場 洋佑 | 9/10①② 9/25③④ |
23・24回 | 【対面】 老いと死と作業療法 | 高齢者の権利擁護、成年後見制度等について解説する。看取り、アドバンスケアプランニングについて解説した後、多様で個別性の高い「老いと死」に寄り添う作業療法士に求められる視点について討議する。 | 河村 晃依 | 9/17①② |
25・26回 | 【学外実習】 老年期作業療法評価実習 | 地域生活を送る高齢者の作業療法評価および課題抽出、プログラム立案をグループで行う。 | 河村 晃依 上出 直人 前場 洋佑 安藤 雅峻 | 10/6①② 10/6③④ |
27・28回 | 【対面】 老年期作業療法評価実習セミナー | 評価結果を基にOTプログラムを立案し、グループで発表する。 | 河村 晃依 | 10/15①② |
◆実務経験の授業への活用方法◆
高齢者を対象とした病院及び介護保険領域での臨床経験を踏まえ、高齢者のリハビリテーションがどのように展開されるのかを概説する。
◆介護予防実習について◆
Aグループ:9月10日1・2限、Bグループ:9月25日3・4限
◆老年期作業療法評価実習◆
Bグループ:実習10月6日1・2限 Aグループ:実習10月6日3・4限
老年期作業療法の遂行プロセスを理解し、模擬的に実施できる。
認知症当事者・障害当事者の生活障害を疾患・環境・個人特性から捉え、作業療法アプローチを立案できる。
地域社会における介護予防の意義および作業療法士の役割について説明できる。
その人らしさを支えるケアとして作業療法の視点から関与できることについて、討議の上、説明できる。
定期試験(50%)、課題レポートおよび提出物(25%)、実習参加状況および発表内容(25%)により評価
【授業時間外に必要な学習の時間:3時間】
教科書及び配布資料を用いて予習・復習を行い、疑問点は授業内で確認すること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 老年期の作業療法 第3版 | 浅海奈津美、守口恭子著 | 三輪書店 |
教科書 | 高齢者のための知的機能検査の手引き | 大塚俊男 | ワールドプランニング |
参考書 | 認知症の作業療法 ソーシャルインクルージョンをめざして 第2版 | 小川敬之 竹田徳則編 | 医歯薬出版 |
参考書 | その他授業内で紹介する |
科目ナンバリングコード: OT304-SS17