科目責任者 | 幅田 智也 |
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担当者 | 幅田 智也※ |
科目概要 | 2年 (2単位・必修) [リハビリテーション学科 作業療法学専攻] |
解剖学、生理学、心理学等の知識を踏まえ、生体における身体運動、運動学習に基づく行動のメカニズムを理解する。
人間の運動、動作を観察、計測、分析するために必要となる知識を理解する。
リハビリテーションにおける運動学の学問的位置付けを理解する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
人体の動きを理解するのに必要となる運動学の基礎を学ぶ。
生体の構造および生理的機能を理解し、人間が有する身体動作の原理を学ぶ。
運動学の理解からリハビリテーションにおける臨床業務の中でどのように活用されていくかを学ぶ。
【教育方法】
授業形態:講義
基礎運動学教科書を中心に人体の理解と動作の原理をアクティブラーニングなどの方法を利用し、グループワーク(演習)を実施しながら教育する。
課題に対するフィードバックは授業内でアクティブラーニングにて実施する。提出期限を守られたレポートの場合はコメントを付けフィードバックする。
1)物理学(力学)の授業を基に人間動作の人間工学的、運動力学(kinetics)的解釈の仕方を学んで頂きます。
2)解剖学、生理学、神経生理学、心理学の知識を基にして運動学(kinematics)的解釈の仕方を学んで頂きます。
3)運動学(kinesiology)を理解することからリハビリテーション、作業療法や理学療法の治療的戦略を学んで頂きます。
【フィードバック】
講義終了5分前に本日の内容と疑問点、聞き逃した内容など確認できるように努力いたします。講義終了後でも個人的に確認に来てください。
毎回の講義開始30分程度時間を使い、前回までの講義内容の確認復習を行います。その時にも疑問点や理解困難などないかの確認します。前回お休みした方も勇気をもって質問してください。基本は数学Ⅰ、基礎理科の知識があれば理解できるように授業設計しています。講義最中でも講義進行を止めて問題ありません、理解困難なところがあればその場で即質問してください。メールにての確認も受けています。すべての学生は、habata@kitasato-u.ac.jpに初回講義までに各自の学生メールから送信をお願いいたします。件名に「OT2年 学籍番号 氏名(フルネーム)」を入力し送ってください。注意)個人情報になりますのでの個人所有の携帯メールからは送信しないでください。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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1回 | 【対面】 オリエンテーション 1章 運動学とは 2章 生体力学の基礎 | 運動学のその領域、身体運動と力学、身体運動の面と軸、関節運動の名称、筋力と重力について学習する。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 4/8③ |
2回 | 【対面】 2章 生体力学の基礎 | 運動学的分析と運動力学的分析を、高等学校教育での円運動、重力、モーメントの復習を通し学習する。 | 幅田 智也 | 4/15③ |
3回 | 【対面】 3章 生体の構造と機能 ① 組織学、骨、関節 | 生体の組織学、骨、関節の構造・機能について学習する。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 4/22③ |
4回 | 【対面】 3章 生体の構造と機能 ②腱、筋の構造・機能 | 生体の腱、筋の構造・機能について学習する。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 5/13③ |
5回 | 【対面】 3章 生体の構造と機能 ③ 末梢神経系、中枢神経系 | 末梢神経系、中枢神経系について学習する。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 5/20③ |
6回 | 【対面】 4章 関節運動学 ① (肩甲帯・肩・肘) | 上肢、上肢帯の構造・機能を理解する。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 5/27③ |
7回 | 【対面】 4章 関節運動学 ② (前腕・手・指) | 上肢、上肢帯の構造・機能を理解する。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 6/3③ |
8回 | 【対面】 4章 関節運動学 ③ (体幹) | 体幹の構造・機能を理解する。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 6/10③ |
9回 | 【対面】 4章 関節運動学 ④ (股・膝) | 下肢の構造・機能を理解する。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 6/17③ |
10回 | 【対面】 4章 関節運動学 ⑤ (足・足趾) | 下肢の構造・機能を理解する。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 6/27① |
11回 | 【対面】 5章 運動と動作の分析 | 運動学的分析の定義と方法を学ぶ。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 7/4① |
12回 | 【対面】 6章 栄養・代謝と運動処方① (栄養の理解) | 栄養とエネルギー代謝を学ぶ。 ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 7/7② |
13回 | 【対面】 6章 栄養・代謝と運動処方② (エネルギー代謝の理解) | 栄養、体力と運動処方の関連を学ぶ。ディスカッション、グループワーク、発表 | 幅田 智也 | 7/15④ |
14回 | 【対面】 7章 姿勢 姿勢制御 重心 立位姿勢 | 立位姿勢と重心を学ぶ 姿勢制御と評価を学ぶ | 幅田 智也 | 9/5③ |
15回 | 【対面】 8章 歩行と走行 ① (歩行周期と歩行の時間的空間的分析) | 歩行の定義と歩行システムを学ぶ。 時間的空間的分析を学ぶ。 | 幅田 智也 | 9/12③ |
16回 | 【対面】 8章 歩行と走行 ② (歩行の運動力学的分析と新たなる定義) | 姿勢や歩行の具体的な人間動作から運動学的分析と運動力学的分析を学ぶ。そこから新たな歩行の定義の意味を理解する | 幅田 智也 | 9/19③ |
17回 | 9章 運動発達 ① ①-1 発達とは ①‐2 発達分析 | 発達段階と発達分析を学ぶ | 幅田 智也 | 9/26③ |
18回 | 9章 運動発達 ② ②‐1 中枢神経系の運動発達 ②-2 胎児幼児の運動発達 | 中枢神経の運動発達を学ぶ 発達の評価を学ぶ | 幅田 智也 | 10/3③ |
19回 | 【対面】 10章 運動学習 ① ①-1 学習と記憶 ①-2 運動技能 | 学習と記憶、運動技能、練習と訓練を学ぶ。 | 幅田 智也 | 10/10③ |
20回 | 【対面】 10章 運動学習 ② ②-1 運動学習の理論 ②-2 運動学習の神経生物学 | 運動学習の理論を学ぶ。 運動学習と脳機能を学ぶ | 幅田 智也 | 10/17③ |
*状況(災害時や感染症パンデミックなど通学困難時)によってはオンデマンドと併用する場合がある。
◆実務経験の授業への活用方法◆
関東労災総合病院と北里大学東病院での30年以上のリハビリテーション実務経験を踏まえ、臨床業務における人間工学と運動学的視点からの人間活動の捉え方と療法士が実践する治療戦略の原理を教授します。
リハビリテーションにおける重要な動作分析や作業分析方法への展開を基礎運動学から教授します。
リハビリテーションにおける訓練内容の根拠、プログラムにつながる運動学的治療戦略を基礎運動学から教授します。
基礎医学の理解からどのようにリハビリテーション治療をセラピストが展開しているかの例を踏まえ教授します。
1)身体構造や動作を生体力学および人間工学的視点から解釈できそれを他人に説明できる。
2)人間の動作を分析するための方法を理解しそれを列挙し説明することができる。
3)高等学校や1群科目で学んだ代数幾何、基礎理科のニュートン力学や古典物理学を人間の動作評価に利用する方法の理解と物理法則との関係づけを説明することができる。
4)正常な身体機能の理解と障がいを抱えた場合の動作の変容、代償、逸脱した動作を専門用語を使い説明表現することができる。
5)1~4)の目標を到達しリハビリテーション治療の戦略や訓練プログラムを考え、説明することができる。
プレゼンテーション、グループワーク参加(20%)、定期試験(50%)、課題レポート(30%)より総合的に成績評価を行う。講義後の課題提出内容も評価基準とします。出席困難であった場合は、資料や課題、授業内容を可能な限り早く確認しに来てください(欠席時に友人に資料などを渡すことはしません)。
講義欠席時の課題であっても、課題提出を認め評価の対象とします。体調不良や交通事情などさまざまな場合があっても、どん欲に学び、学ぶことを楽しむことのできる姿勢を評価いたします。数回程度の出席困難状況で悲観することなく、たった一つでも自分が「真に理解した」と感じたものをしっかり自己表現している提出物を評価します。提出物の内容の正解やまちがいを気にせず、授業や復習から学んで得た内容で、自分オリジナルの内容を提出しチャレンジしてみてください。
その日の授業終了時に次回の内容をお伝えします。予習としてその時に指定した教科書の範囲を読んできてください。
いつでも解剖学・生理学等の教科書を読んで、復習をするように心がけて下さい。
授業中に示す教科書のページに記述されている内容を読み、疑問点を明確にし、解決困難で理解に苦しむ時は、一人で抱え込まず早めに次回の講義開始時に確認してください。
(授業時間以外に必要な学習の時間:50時間)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 基礎運動学 | 中村隆一、斎藤宏、長崎浩 | 医歯薬出版株式会社 |
教科書 | 作業療法学全書第3巻 作業療法評価学 | 生田宗博 編集 社団法人 日本作業療法士協会 監修 | 協同医書出版社 |
参考書 | 筋骨格系のキネシオロジー | Donald A. Neumann 著 Paul D. Andrew 監訳 | 医歯薬出版株式会社 |
参考書 | モーターコントロール | Anne Shumway-Cookら 田中繁ら訳 | 医歯薬出版株式会社 |
科目ナンバリングコード: OT301-SS05