科目責任者 | 守田 憲崇 |
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担当者 | 守田 憲崇※ |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [医療工学科 臨床工学専攻] |
臨床工学技士に必要なデジタル信号処理に関わる基本的知識および技法を講義とプログラムを作成する演習により修得することを目的とする。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
ディジタル信号処理に必要な以下の基本的知識(数学的表現法、アナログ信号処理方法を含む)および技法を学び、演習する。
1)複素数・指数表現、2)フーリエ/ラプラス変換、3)離散時間システム、4)離散・高速フーリエ変換、5)Z変換、6)デジタルフィルタ、7)適応信号処理、8)ROC解析
さらに臨床工学技士国家試験問題の中で情報処理工学の分野で出題された設問について学習する。
【教育方法】
授業形態:演習
対面による授業を行う。資料の配布、課題提出はGoogle Classroomを利用する。講義と1人1台のPCによるプログラム作成演習を組み合わせて授業を行う。プログラム作成演習では授業中に課題を出し、授業中に提出をしてもらう。連絡等は、電子メール等のツールを使用して行う。
「臨床工学技士国家試験対策演習」は、臨床工学技士国家試験問題の中で情報処理工学の分野で出題された設問について授業内で解説を行う。
【フィードバック】
課題は提出時に解説を行う。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 イントロダクション 信号処理のための数学 複素数 直交分解 極限・微分・積分 | 信号処理を学習するために不可欠な数学的基礎事項を学習する。(資料配布) | 守田 憲崇 | 4/16④ |
第2回 | 【対面】 複素数 | デジタル信号処理に使用する複素数の演算を学ぶ。(資料配布) | 守田 憲崇 | 4/23④ |
第3回 | 【対面】 アナログ信号処理とデジタル信号処理 デジタル信号の変調 | アナログ信号とデジタル信号の定義を学ぶ。(教科書p.1-p.7) デジタル信号の変調について学ぶ。(資料配布) | 守田 憲崇 | 5/7④ |
第4回 | 【対面】 フーリエ級数とフーリエ変換 信号のエネルギー | フーリエ級数とフーリエ変換の定義とその性質を学ぶ。(教科書p.9-p.24) 信号におけるエネルギーの定義とその性質を学ぶ。(資料配布) | 守田 憲崇 | 5/14④ |
第5回 | 【対面】 ラプラス変換 逆ラプラス変換 | ラプラス変換の定義とその性質、逆ラプラス変換を学ぶ。(教科書p.27-p.36) | 守田 憲崇 | 5/21④ |
第6回 | 【対面】 逆ラプラス変換による微分連続時間システムの安定性 | 逆ラプラス変換により微分方程式を解く方法を学ぶ。(教科書p.37-p.38) 連続時間システムの安定性を判別する方法を学ぶ。(教科書p.38-p.39) | 守田 憲崇 | 5/28④ |
第7回 | 【対面】 離散時間信号の表現方法 システムの基本要素と表現方法 | 離散時間信号の表現方法およびシステムの基本要素と表現方法を学ぶ。(資料配布) インパルス応答、畳み込み積分、伝達関数について学ぶ。(資料配布) | 守田 憲崇 | 6/4④ |
第8回 | 【対面】 標本化定理と正規化周波数 離散フーリエ変換 | 標本化定理と正規化周波数について学ぶ。(資料配布) 離散フーリエ変換の定義とその性質、スペクトル解析、エイリアシングを学ぶ。(教科書p.49-p.57) | 守田 憲崇 | 6/11④ |
第9回 | 【対面】 窓関数 エクセルによる計算演習(1) ・微分,積分計算の近似 | 窓関数の意義を学ぶ。(教科書p.84-85) エクセルにより微分,積分の近似計算方法を学ぶ。(資料配布) | 守田 憲崇 | 6/18④ |
第10回 | 【対面】 エクセルによる計算演習(2) ・高速フーリエ変換によるスペクトル解析 ・窓関数 | 高速フーリエ変換によるスペクトル解析方法を学ぶ。 窓関数を用いたスペクトル解析方法を学ぶ。 | 守田 憲崇 | 6/25④ |
第11回 | 【対面】 Z変換 逆Z変換 | Z変換の定義とその性質、逆Z変換とその応用を学ぶ。(教科書p.41-p.47) | 守田 憲崇 | 9/3③ |
第12回 | 【対面】 離散時間システム 周波数応答 | 離散時間システムの周波数応答について学ぶ。(教科書p.71-p.75) | 守田 憲崇 | 9/10③ |
第13回 | 【対面】 フィルタ概論・設計 | フィルタの種類、設計、周波数変換を学ぶ。(教科書p.87-p.94) | 守田 憲崇 | 9/17③ |
第14回 | 【対面】 IIRデジタルフィルタ | IIRフィルタの作成方法であるインパルス不変法、双一次変換法を学ぶ。(教科書p.96-p.103) | 守田 憲崇 | 9/24③ |
第15回 | 【対面】 FIRフィルタ | FIRフィルタについて理想低域フィルタ、直線位相特性、窓関数法を学ぶ。(教科書p.105-p.112) | 守田 憲崇 | 10/1③ |
第16回 | 【対面】 相関関数と線形予測 | 自己相関関数の定義とその性質および自己相関関数とパワースペクトルの両者の関係性、信号を予測する線形予測法を学ぶ。(教科書p.114-p.118) | 守田 憲崇 | 10/8③ |
第17回 | 【対面】 適応信号処理 | 適応信号処理アルゴリズムの最急降下法、誤差伝搬法を学ぶ。(教科書p.120-p.127) | 守田 憲崇 | 10/15③ |
第18回 | 【対面】 プログラミング演習(1) ・データ読み込み ・グラフ表示 | 信号データを読み込み、グラフ表示するPython言語によるプログラムを学習する。 | 守田 憲崇 | 10/22③ |
第19回 | 【対面】 プログラミング演習(2) ・フーリエ変換 ・FIRフィルタの周波数応答 | 信号データをフーリエ変換するPython言語によるプログラムを学習する。 FIRフィルタの周波数応答を解析するPython言語によるプログラムを学習する。 | 守田 憲崇 | 10/29③ |
第20回 | 【対面】 プログラミング演習(3) ・FIRフィルタの作成 | FIRフィルタを窓関数法で実現するPython言語によるプログラムを学習する。 | 守田 憲崇 | 11/12③ |
第21回 | 【対面】 プログラミング演習(4) ・IIRフィルタの作成 ・IIRフィルタの周波数応答 | IIRフィルタを双一次変換法で実現するPython言語によるプログラムを学習する。 | 守田 憲崇 | 11/19② |
第22回 | 【対面】 プログラミング演習(5) ・アナログ変調 ・デジタル変調 | 変調を行うPython言語によるプログラムを学習する。 | 守田 憲崇 | 11/19③ |
第23回 | 【対面】 プログラミング演習(6) ・適応フィルタ | 適応フィルタを実現するPython言語によるプログラムを学習する。 | 守田 憲崇 | 11/26② |
第24回 | 【対面】 プログラミング演習(7) ・エコー処理 | 音声信号処理プログラム(エコー処理)を実現するPython言語によるプログラムを学習する。 | 守田 憲崇 | 11/26③ |
第25回 | 【対面】 ROC解析演習1 | ROC解析による診断能の評価方法を学ぶ。(資料配布) Excelによる感度・特異度方法、ROCカーブ描画方法を学ぶ。 | 守田 憲崇 | 12/3② |
第26回 | 【対面】 ROC解析演習2 | Python言語によるROC解析方法を学ぶ。 | 守田 憲崇 | 12/3③ |
第27回 | 【対面】 プログラミング演習(8) ・計算処理自動化 | スプレッドシートに備わっているプログラミング機能を利用して、計算処理自動化方法を学ぶ。(資料配布) | 守田 憲崇 | 12/10② |
第28回 | 【対面】 臨床工学技士国家試験対策演習 ・コンピューター全般 ・デジタル信号処理分野 | 臨床工学技士国家試験に出題されたコンピューター全般(基本構成、動作原理、ネットワーク)、デジタル信号処理に関連する問題を学習する。(資料配布) | 守田 憲崇 | 12/10③ |
◆実務経験の授業への活用方法◆
病院での臨床経験を踏まえ、デジタル信号処理を学ぶ意義及び実際の臨床現場でデジタル信号処理がどのように展開されるのかを概説する。
デジタル信号処理のための基本的知識および技法を修得し、「情報処理工学Ⅰ」で学習したプログラミング知識および技術により、自力でデジタル信号およびデジタルシステムの解析がコンピュータで行えるようになることを目標とする。さらに、臨床工学技士国家試験の情報処理工学の分野で出題された設問を解くことができるようになることを目標とする。
1.アナログ信号処理とデジタル信号処理の違いが説明できる。(*知識・理解)
2.連続時間システムと離散時間システムについて基本的なシステムを数式、ブロック線図を用いて説明できる。(*知識・理解)
3.フーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換について定義、性質が説明ができる。(*知識・理解)
4.離散時間フーリエ、離散フーリエ変換、Z変換について定義、性質が説明ができる。(*知識・理解)
5.システムの周波数特性および安定性を数式とコンピュータによる方法で評価できる。(*技能)
6.プログラムにより信号処理を行うことができる。(*技能)
7.デジタルフィルタを数式とコンピュータにより設計できる。(*技能)
8.ROC解析について方法が説明できる。(*知識・理解)
9.ROC解析をコンピュータにより行うことができる。(*技能)
10.臨床工学技士国家試験問題の中で情報処理工学の分野で出題された設問を解くことができる。(*知識・理解)
授業中に出される課題(30%)と定期試験(70%)により評価する。
*授業は、対面形式で行いGoogle Classroomにより資料配布する。欠席をした場合は、次週までにダウンロードし、内容を確認しておくこと。
*欠席時に課題が出ていることもあるので、出席可能になった時点で教員に確認すること。
*コンピュータを使用した演習での課題提出は、Google Classroomから提出してもらう。Google Classroomを扱うためには、大学から付与されているメールアドレスが必須であるため、授業第1回目の授業までにメールアドレスとそのパスワードを確認しておくこと。
*この科目の予習・復習を含めた授業時間外に必要な学習時間は、34時間である。
*予習は、講義予定内容について教科書の該当する箇所を読み、要点をA4用紙1枚以内にまとめ、疑問点を明らかにしておくこと。教科書のページが記載されていない場合は、項目に記載されているキーワードについてインターネット検索をかけて講義予定内容について基礎的事項を探し、要点をA4用紙1枚以内にまとめ、疑問点を明らかにしておくこと。
*復習は、演習内容について教科書、ノート、配布資料により概要をA4用紙1枚以内にまとめること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | ディジタル信号処理 第2版 | 萩原将文 | 森北出版 |
参考書 | (なし) |
教科書の内容に準拠して授業を進めていくが、教科書に記載されていない項目については資料を配布して授業を行う。
科目ナンバリングコード:CE202-SS22