科目責任者 | 稻岡 秀検 |
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担当者 | 稻岡 秀検※ |
科目概要 | 2年 (1単位・必修) [医療工学科 臨床工学専攻] |
生体を対象とした計測・制御と情報処理の技術の基礎を理解するために、ラプラス変換と伝達関数について理解する。また、フィードバック制御系の過渡応答と周波数応答について学び、さらに状態方程式を用いてシステムの内部状態を考慮する現代制御論について学ぶ。次いで離散時間システムを理解するための基礎となるz変換、z逆変換について学び、最後に線形離散時間システムの伝達関数と安定性について学ぶ。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
この講義ではラプラス変換、古典制御論、現代制御論、離散時間システムを中心に学習する。いずれも、将来、応用の必要がおきたときに十分に対応できるような数学的な基礎を身につけることに重点をおくが、医療工学の分野であらわれる実際の問題についても演習を交えて学習する。
【教育方法】
授業形態:演習
パワーポイントを使用した講義を行う。講義中に例題を示し、その例題に基づいた演習課題をまずは自力で解答し、本講義では自力で問題を解くことを目標とする。そのため演習が主題であり、講義は演習のために必要な知識を習得することを目的とする。演習においてはJupyter Notebook環境を用いたPythonによるプログラミング問題を解く演習も併せて行う.
【フィードバック】
講義で示した演習課題については,講義中に模範解答を示し、内容について解説する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】フーリエ変換の性質 | フーリエ変換のもつ様々な性質について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 9/5① |
第2回 | 【対面】サンプリング間隔とフーリエ変換 | インパルス列のフーリエ変換について理解し、情報を失うことなくサンプリング可能なサンプリング間隔について理解する。 | 稻岡 秀検 | 9/12① |
第3回 | 【対面】高速フーリエ変換と時間窓関数 | 離散フーリエ変換の基礎について学び、次いで高速フーリエ変換の計算方法の詳細を学ぶ。最終的に実際に離散フーリエ変換の計算ができるようにする。また、実際の時系列データに対してフーリエ変換を応用するときに必要となる時間窓関数について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 9/19① |
第4回 | 【対面】ラプラス変換 | ラプラス変換の基礎、定理、性質について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 9/26① |
第5回 | 【対面】ブロック線図と伝達関数 | 制御系の記述に用いられるブロック線図について学ぶ。さらに伝達関数とラプラス変換の関係について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 10/3① |
第6回 | 【対面】フィードバック制御 | 様々な分野で広く使われているフィードバック制御の基礎について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 10/10① |
第7回 | 【対面】フィードバック制御系の過渡応答 | フィードバック制御系の過渡応答について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 10/24① |
第8回 | 【対面】フィードバック制御系の周波数応答 | フィードバック制御系の周波数応答(ベクトル軌跡、ボード線図)について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 11/7① |
第9回 | 【対面】フィードバック制御系の安定性 | フィードバック制御系の安定性について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 11/14① |
第10回 | 【対面】状態方程式と伝達関数 | システムを連立微分方程式で記述する現代制御論の基礎について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 11/21① |
第11回 | 【対面】可制御性・可観測性 | 現代制御論における基本概念である可制御性・可観測性について学び、伝達関数と状態方程式の違いについて理解する。 | 稻岡 秀検 | 11/28① |
第12回 | 【対面】線形離散時間システム | 離散時間システムを理解するための基礎知識としてz変換とz逆変換について学ぶ。次いで線形離散時間システムについて学び、その時間応答、伝達関数、周波数応答について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 12/5① |
第13回 | 【対面】線形離散時間システムの安定性 | 線形離散時間システムの状態空間表現について学び、次いでその安定性について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 12/12① |
◆実務経験の授業への活用方法◆
研究所での経験を踏まえ、実際の工場で測定されるデータのばらつき等をどう評価するかを概説する。
1. フーリエ級数の各種の性質を説明し、様々な周期関数をフーリエ級数展開できる。
2. 離散フーリエ変換の手順を説明し、実際に計算を行うことができる。
3. ラプラス変換の概念を説明し、ラプラス変換の計算を行うことができる。
4. 伝達関数について説明し、フィードバック制御系の基礎を理解することができる。
5. フィードバック制御系の過渡応答を計算することができる。
6. フィードバック制御系の周波数応答を計算することができる。
7. フィードバック制御系の安定性について説明することができる。
8. 伝達関数と状態方程式の違いについて説明することができる。
9. 制御系の可制御性・可観測性について説明することができる.
10. z変換の概念を説明し、z変換の計算を行うことができる。
11. 線形離散時間システムについて説明することができる。
Pythonによる演習テスト(20%)、Google Classroomによる小テスト(20%)、定期試験(60%)により評価する。
【授業時間外に必要な学習時間:19時間】
予習
学習内容の理解を深めるために教科書をあらかじめ読んでおくこと。
復習
講義中に配布した資料を用いて、自分でも計算過程を確認しておくこと。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 制御基礎理論 | 中野道雄、美多勉 | コロナ社 |
参考書 | 線形離散時間システム入門 | 大野修一 | 森北出版株式会社 |
科目ナンバリングコード: CE202-SF11