科目責任者 | 横場 正典 |
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担当者 | 横場 正典※, 宇治橋 善勝※, 槇田 喜之※, 押田 好美※, 柳原 美智子※, 下河 ナオミ※ |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [医療検査学科] |
臨床生理学は生体の生理学的機能の病的な状態における変化を把握する学問であり、生理的機能を評価する手段が臨床生理学的検査である。臨床生理学的検査は臨床検査技師の資格を有するものが行うことができる検査であり、資格の取得上大変重要な科目である。
この講義では日常行われている生理学的検査について、2年次の臨床生理学ⅠAにおいて習得した各生理学的検査の原理、方法をもとに、それぞれの正常所見、病的所見を学習し、実際の画像や波形から異常の有無を判断できる要訣を理解することを目的とする。また、生理学的検査における被検者に対する倫理観を併せて学習し、理解することも目的とする。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
臨床的に活用され、臨床検査技師の資格取得に必要な臨床生理学的検査を中心に正常な生理機能と疾患における病態生理学的変化について理解し、測定原理、装置、測定方法、検査結果の評価などについて学ぶ。
【教育方法】
授業形態:講義
教科書および配布資料についてオムニバス講義形式でパワーポイントを用いて解説する。
【フィードバック】
学生から出た質問は講義内でフィードバックし、授業始めの10分間で前回の内容の振り返りを行う。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1・2・3回 | 【対面】 呼吸機能検査①(呼吸器の解剖と生理) 呼吸機能検査②(呼吸機能検査法) 呼吸機能検査③(基礎代謝、運動負荷試験) | 呼吸器の解剖、肺気量分画、呼吸抵抗、コンプライアンス、フローボリューム曲線、クロージングボリューム、肺拡散能、基礎代謝、運動負荷試験について習得する。 | 横場 正典 | 4/28②③④ |
第4回 | 【対面】 呼吸機能検査④(血液ガス分析) | 動脈血液ガス分析、酸塩基平衡、経皮的酸素飽和度、基礎代謝検査の原理と測定法について習得する。 | 横場 正典 | 5/12② |
第5・6回 | 【対面】 心電図検査①(心電計の測定と正常波形、異常波形) 心電図検査②(心電図読影―異常心電図) | 心電図誘導法と測定法について習得する。 心電図波形の正常所見、異常心電図について習得する。 | 宇治橋 善勝 | 5/12③④ |
第7・8回 | 【対面】 脳波検査①② | 脳波の基礎的要素、導出法、電極、正常脳波、加齢変化、睡眠脳波、異常脳波、賦活法、誘発脳電位について習得する。脳波検査を用いたポリソムノグラフィー(睡眠時無呼吸症候群検査)の検査方法や所見を習得する。 | 押田 好美 | 5/14①② |
第9・10回 | 【対面】 心電図検査③(心電図読影―不整脈、電解質異常) 心電図検査④(心電図読影―虚血性心疾患、心音・脈波検査) | 異常心電図について習得する。不整脈(異所性刺激発生、伝導障害)、電解質異常の診かたと解析について習得する。 異常心電図について習得する。虚血性心疾患の心電図所見、狭心症の心電図所見について、その評価と診かたについて習得する。心音・脈波検査の方法や所見を習得する。 | 宇治橋 善勝 | 5/19②③ |
第11回 | 【対面】 筋電図検査 | 基礎事項、筋電計、導出法、正常・異常筋電図、誘発筋電図の原理と検査法について習得する。 | 下河 ナオミ | 5/26② |
第12回 | 【対面】 超音波検査①(測定原理・心臓超音波検査) | 超音波検査の測定原理、超音波装置について習得する。心臓超音波検査の検査の正常所見について習得する。 | 槇田 喜之 | 5/26③ |
第13回 | 超音波検査②(心臓超音波検査) | 心臓超音波検査の検査の正常所見と異常所見について習得する。 | 槇田 喜之 | 6/2② |
第14回 | 【対面】 超音波検査③(腹部超音波検査―肝臓・胆嚢) | 腹腔内蔵器(肝臓・胆嚢)における超音波検査の正常所見と異常所見について習得する。 | 柳原 美智子 | 6/2③ |
第15回 | 【対面】 超音波検査④(腹部超音波検査―膵臓・脾臓・腎臓) | 腹腔内蔵器(膵臓・脾臓・腎臓)における超音波検査の正常所見と異常所見について習得する。 | 宇治橋 善勝 | 6/2④ |
◆実務経験の授業への活用方法◆
病院での臨床経験を踏まえ、生理検査学の意義及び実際の検査がどのように行われているのかを臨床的に概説する。
①病的状態における生理機能の変化について具体的に説明ができる。
②適切な生理機能検査を選択し、測定結果から疾患を判断することができる。
③臨床生理学実習および臨床実習において、被検者に配慮しながら生理機能検査が遂行できる。
定期試験(90%)、受講態度(10%)によって評価する。
注)試験範囲には臨床生理学実習の実習範囲が含まれる。
予習:2年次の臨床生理学ⅠAの復習と授業に関連する項目を教科書で事前に学び、整理して授業に臨むこと。予習や授業で不明な点は積極的に質問すること。
復習:教科書と配布資料を参考に各授業の内容をまとめること。関連する他の授業も含めて幅広い知識を身につけるように復習を行うこと。これらを基に3年次の臨床生理学実習や臨床生理学Ⅱ、臨床実習の準備をすること。
【授業時間外に必要な学習時間:60時間】
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 最新臨床検査学講座 生理機能検査学 第2版 | 東條尚子、川良徳弘 編 | 医歯薬出版 |
教科書 | 生理系臨床実習実習書Ⅰ | 北里大学医療衛生学部医療検査学科・北里大学病院臨床検査部編 | |
参考書 | 標準臨床検査学 生理検査学・画像検査学 | 谷口信行 編 | 医学書院 |
参考書は必須ではない。図書館などで調べたり勉強したりするときに利用すると良い。
科目ナンバリングコード: ML301-SS24