科目責任者 | 川村 俊彦 |
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担当者 | 川村 俊彦※, 佐藤 隆司※, 十良澤 勝雄※ |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [医療検査学科] |
臨床検査技師として免疫検査を行うためには、検査手技の方法を機械的に記憶するのではなく、検査の原理・背景を理解した上で検査を行うことが求められる。そのために必要な免疫学の基礎を、しっかりと理解し学ぶことが必要である。免疫検査学IIでは、免疫検査学Iで学んだ免疫学の基本をもとに、抗原抗体反応を基礎とした免疫検査方法を具体的に学ぶ。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
免疫検査の基本は抗原抗体反応であり、それを原理とした試験管内抗原抗体反応について学ぶ。また、免疫反応が関与する疾患(臓器移植・癌・免疫不全症・自己免疫疾患、血清タンパク異常症等)の病態、検査方法及びその原理について学ぶ。また、輸血の際に必要な免疫検査方法について、その検査方法及びその原理について学ぶ。免疫検査学実習と密接に関連させながら講義を進める。国家試験の頻出問題についての解説も行う。
【教育方法】
授業形態:講義
授業は、主に講義形式(パワーポイントおよび板書による説明)により進める。講義時間内に5分間程度の小テストを行うことがある。講義内容をよりよく理解するためのレポートを課す場合がある。
【フィードバック】
授業終了前5分間で、その日の講義内容に関する小テストを行う。次の授業の初め5分間で前回の小テストの解説を行う。レポートは最終回で返却し、講評する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 移植免疫 (臓器移植) | 移植の種類、移植の副作用、拒絶反応のメカニズム、拒絶反応を抑える方法について学ぶ。 | 川村 俊彦 | 4/15② |
第2回 | 【対面】 腫瘍と免疫 | 腫瘍に対する免疫反応、代表的な腫瘍マーカーについて学ぶ。 | 川村 俊彦 | 4/22② |
第3回 | 【対面】 免疫不全症 | 先天性免疫不全症、後天性免疫不全症の原因、病態、検査法について学ぶ。 | 川村 俊彦 | 5/13② |
第4回 | 【対面】 自己免疫疾患 1 (臓器特異的自己免疫疾患) | 臓器特異的自己免疫疾患の病態、自己抗体、検査方法について学ぶ。 | 佐藤 隆司 | 5/20② |
第5回 | 【対面】 自己免疫疾患 2 (全身性自己免疫疾患) | 全身性自己免疫疾患の病態、自己抗体、検査方法について学ぶ。 | 佐藤 隆司 | 5/27② |
第6回 | 【対面】 輸血検査学総論 | 輸血療法、輸血用血液製剤、輸血検査についてその概略を学ぶ。 | 川村 俊彦 | 6/3② |
第7回 | 【対面】 血液型とその検査-1 (ABO血液型) | ABO血液型およびその検査法について学ぶ。 | 十良澤 勝雄 | 6/10② |
第8回 | 【対面】 血液型とその検査-2 (Rh血液型、その他の血液型) | Rh血液型、その他の血液型およびその検査法について学ぶ。 | 十良澤 勝雄 | 6/17① |
第9回 | 【対面】 赤血球抗体検査、交差適合試験 | 赤血球抗体検査、交差適合試験ついて学ぶ。 | 十良澤 勝雄 | 6/17② |
第10回 | 【対面】 自己免疫性溶血性貧血、新生児溶血性疾患 | 自己免疫性溶血性貧血、新生児溶血性疾患について学ぶ。 | 十良澤 勝雄 | 6/24① |
第11回 | 【対面】 輸血副作用、自己血輸血 | 輸血副作用、自己血輸血について学ぶ。 | 十良澤 勝雄 | 6/24② |
第12回 | 【対面】 免疫学的検査の原理-1 試験管内抗原抗体反応の基礎、沈降反応、凝集反応、溶解反応、中和反応 | 試験管内抗原抗体反応の基礎、沈降反応、凝集反応、溶解反応、中和反応およびそれに基づく検査法について学ぶ。 | 十良澤 勝雄 | 7/1① |
第13回 | 【対面】 免疫学的検査の原理-2 非標識免疫測定法、標識免疫測定法 | 非標識免疫測定法、標識免疫測定法の原理およびそれらに基づく検査法について学ぶ。 | 十良澤 勝雄 | 7/1② |
第14回 | 【対面】 免疫学的検査の原理-3 電気泳動法、血清蛋白異常症関連検査 | 電気泳動法の原理およびそれらに基づく検査法、また血清蛋白異常症関連検査について学ぶ。 | 十良澤 勝雄 | 7/8① |
第15回 | 【対面】 免疫学的検査の実際 | 具体的な免疫学的検査について、感染症、アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全症に関する検査方法について学ぶ。 | 十良澤 勝雄 | 7/8② |
◆実務経験の授業への活用方法◆
医師および研究者としての免疫検査に関する実務経験を活かし、免疫検査の原理・背景に重点を置いて概説する。
・免疫検査の基本である試験管内抗原抗体反応について、それらの反応・試験の種類を列挙することができ、その原理を説明できる。
・臓器移植の際の拒絶反応を免疫学的に説明できる。
・癌に対する免疫反応を説明できる。
・代表的な腫瘍マーカーを列挙し、どの癌のマーカーであるかを説明できる。
・代表的な先天性免疫不全症を列挙し、それぞれにおいてどの免疫機能が障害されているかを説明できる。
・自己免疫疾患を、臓器特異的自己免疫疾患と全身性自己免疫疾患に分類できる。
・自己免疫疾患で検出される自己抗体を、疾患別に列挙できる。
・輸血に必要な検査方法を列挙し、その原理を説明できる。
学習の到達目標としては、臨床検査技師国家試験の免疫学分野の問題の正答率が80%以上になることを目標とする。
定期試験(70%)、小テスト・レポート・受講態度(30%)をもとに、総合的に評価する(100%)。欠席・遅刻はやむを得ない場合を除き減点の対象とする。
【授業時間外に必要な学習の時間: 60時間】
授業に出席する前は、指定教科書の該当する範囲を読み、予習をすること。その際、理解できなかった点を明らかにしておく。また、講義終了後は、講義で配布したレジュメを中心に、復習をすること。理解できなかった箇所は、積極的に質問することにより解決することを心がける。質問等は大歓迎するので、研究室を気軽に訪れてほしい。また、授業ごとに、復習として、国家試験問題集(2025年版 医歯薬出版社)の免疫学の該当部分の問題を解くこと。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 免疫検査学/輸血・移植検査学 第2版 | 窪田哲郎他編 | 医歯薬出版株式会社 |
参考書 | 2025年版 臨床検査技師国家試験問題集 | 日本臨床検査学教育協議会 編 | 医歯薬出版株式会社 |
参考書 | リッピンコットシリーズ イラストレイテッド免疫学 原書3版 | 矢田純一/高橋秀実 監訳 | 丸善出版 |
科目ナンバリングコード: ML301-SS22