科目責任者 | 大場 謙一 |
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担当者 | 大場 謙一※, 川上 文貴※, 髙橋 香代子※, 浅見 聡※, 伊藤 伸也※, 斉藤 信吾※, 矢野 功二※, 渡邊 学※, 砂見 勝博※, 武井 貴史※, 川本 俊弘※ |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [保健衛生学科 環境保健学コース, 臨床心理学コース] |
職場で働く人々の健康を守ること、良い健康状態を保つこと、更に健康状態を高めることは、生活するために必要であり、企業の生産性にもつながる。休みがちな労働者が多いと、その企業の生産性は悪くなり、経営状態も悪くなる。この労働者の健康を保持増進を目的とする産業衛生管理を企業で活用するためにその基礎知識を習得し、実践能力を身につける。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の(環境)②③④、(心理)③に関連する。
【教育内容】
労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)の理解と産業保健の実践的戦略を学ぶ。職場における化学物質のリスク管理、メンタルヘルス管理等を学ぶ。また、各種化学物質を取り扱う事業場では化学物質の危険有害性を把握し、適切に取扱うことが求められるため、化学物質管理者として従事するために必要な知識(化学物質管理におけるラベル・SDS等の作成やリスクアセスメントの実施、ばく露防止措置の実施、化学物質の管理に係る技術的事項など)についての知識を学習する。
【教育方法】
授業形態:講義
基本的に講義形式であり、パワーポイントを利用して行う。各回ごとに課題問題を配付し講義中に解答させる。
【フィードバック】
配布した課題は、次回の講義でその解答を配布し、またその解説をすることで講義内容の理解を深める。学生からのメール等による質問は、メール等でフィードバックを行う。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 労働衛生管理概論 適正作業配置 人間工学的管理 | 労働衛生学I・II、労働生理学等で修得した知識を、労働者の安全と健康の確保並びに労働能力の開発にどの様に活用するのか、その方策と労働基準法、労働安全衛生法等を概説する。 作業要素の解析と作業負荷の評価、作業姿勢と疲労、時間管理について講義する。安全管理概論と企業における実践事例を紹介する。 | 大場 謙一 | 4/11② |
第2回 | 【対面】 労働衛生管理組織体制 衛生管理者の役割 | 衛生管理組織体制とその機能について概説し、衛生管理者の重要性とOSHMSにおけるマネジメントスタッフとしての役割を理解し、労働基準法等の法規との関わりを講義する。 | 大場 謙一 | 4/18② |
第3回 | 【対面】 作業管理(1) -安全管理、労働衛生保護具- | 労働衛生保護具について概説する。 | 渡邊 学 | 4/18③ |
第4回 | 【対面】 作業管理(2) -職場復帰- | 職場復帰とリハビリテーションの重要性についてリハビリテーション学科の教員による特別講義により理解を深める。 | 髙橋 香代子 | 4/25② |
第5回 | 【対面】 健康管理(1) -個人健康管理- -検査法- -健康診断のオーガナイズ、健康診断の種類と実施内容、事後措置- | 一般、定期健康診断における聴力検査、肺機能検査について概説する。 特殊健康診断における鉛及び有機溶剤の検査について概説する。 労働安全衛生法の法定一般健康診断と特殊健康診断の意義と検診項目の理解、健康診断計画と検診結果の評価、健診後の事後措置について講義する。 | 大場 謙一 | 5/2② |
第6回 | 【対面】 作業環境管理学(2) -労働衛生工学概論と対策:局所排気装置- | 全体換気と局所排気、局所排気装置、温熱環境管理に関する基礎知識、作業環境測定結果を生かした労働衛生工学的改善、作業方法等について学ぶ。 | 大場 謙一 | 5/9② |
第7回 | 【対面】 作業環境管理学(1) -作業環境評価と改善:作業環境測定- | 作業環境管理の進め方、作業環境測定と評価、作業環境測定結果の有効利用について概説する。 | 川上 文貴 | 5/16② |
第8回 | 【対面】 労働衛生学特講 -労働衛生管理の実際- | 製鉄業における労働安全衛生管理の実際。労働基準法、労働安全衛生法等の理解と実務について特別講義を実施する。 | 矢野 功二 | 5/23② |
第9回 | 【対面】 労働衛生学特講 -労働衛生管理の実際- | 化学工業における労働安全衛生管理の実際。労働基準法、労働安全衛生法等の理解と実務について特別講義を実施する。 | 伊藤 伸也 | 5/30② |
第10回 | 【対面】 労働衛生学特講 -企業における安全管理の実際- | 企業における安全管理の具体的な実践内容について特別講義を実施する。 | 浅見 聡 | 6/6② |
第11回 | 【対面】 作業環境管理学(3) -作業環境評価と改善:騒音、温熱環境- 作業管理(2) -エネルギー代謝、疲労- | 労働環境における騒音、温熱の測定について学ぶ。 労働の負荷評価とエネルギー代謝等について学ぶ。 労働者の疲労について検査する方法等を学ぶ。 | 大場 謙一 | 6/13② |
第12回 | 【対面】 法令関係・化学物質を原因とする災害発生時対応・化学物質の危険性又は有害性の調査(1) | 法令関係・化学物質を原因とする災害発生時対応・化学物質の危険性又は有害性の調査(1)について解説する。 | 斉藤 信吾 | 6/20② |
第13回 | 【対面】 化学物質の危険性及び有害性並びに表示等 | 化学物質の危険性及び有害性並びに表示等について解説する。 | 砂見 勝博 | 6/27② |
第14回 | 【対面】 化学物質の危険性又は有害性の調査(2) | 化学物質の危険性又は有害性の調査(2)について解説する。 | 川本 俊弘 | 7/4② |
第15回 | 【対面】 化学物質の危険性又は有害性の調査に基づく措置等その他必要な記録等 | 化学物質の危険性又は有害性の調査に基づく措置等その他必要な記録等について解説する。 | 武井 貴史 | 7/11② |
◆実務経験の授業への活用方法◆
企業における経験を基に、産業衛生管理の実施上必要な専門的基礎知識を講義する。
産業保健の企業内実践のために、労働衛生学IとIIの講義内容の理解を基に、第1種衛生管理者として産業衛生管理の実施上必要な専門的基礎知識とその活用能力を習得し、説明ができる。更に産業衛生管理を行うための実践能力を身につける。また、第12回、第13回、第14回および第15回の講義を受講することで、労働安全衛生規則第12条の5に規定される化学物質管理者を選任するための研修を修了したことが認められ修了証が発行される。
講義中に実施する小テスト(講義内容の理解度の確認)(10%)と定期試験(90%)により評価する。
【授業時間外に必要な学習の時間: 60時間】
各講義項目について、労働衛生学I・II、作業環境管理学I、労働生理学等の講義内容を復習し受講準備をすること。講義後は、講義中の課題演習を参考書や参考資料を基に理解を深めるように復習する。また、講義中の小テストにより理解を深めるようにする。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 講義資料を配付 | ||
参考書 | 労働衛生のしおり 最新年度版 | 中央労働災害防止協会 | 中央労働災害防止協会 |
参考書 | 今日の職業性疾病 | 吉川 博 | 中央労働災害防止協会 |
参考書 | 労働衛生工学通論 | 労働省安全衛生部環境改善室 | 日本作業環境測定協会 |
参考書 | 産業保健マニュアル | 和田 攻 | 南山堂 |
参考書 | 作業環境測定のための労働衛生の知識 | 労働省労働衛生課 | 日本作業環境測定協会 |
参考書 | 化学物質とどうつきあうか―管理のすすめ― | 中央労働災害防止協会 | 中災防新書 |
科目ナンバリングコード: HS301-SS08