科目責任者 | 古川 隼士 |
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担当者 | 古川 隼士※, 清 和成※, AMARASIRI MOHAN※ |
科目概要 | 2・3年 (1単位・必修・選択) [保健衛生学科] |
環境問題解決や環境状態を向上させるためには、はじめに我々を取り巻く環境の現状を把握する必要があり、実際に環境試料を採集・分析し、その結果を評価しなければならない。さらに、明らかとなった環境問題改善のためには工学的な技術手法が不可欠である。ここでは、環境の現状把握のために実環境水を採集・分析した上で、環境基準等と比較・評価を通じて、その内容を理解する。また、工学技術群のうち、水処理技術分野に関する基礎的な実習を通して、環境衛生学・環境工学の知識と技術を習得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の2年(環境)②、3年HS②に関連する。
【教育内容】
実環境水の採水・調査、細菌数および無機・有機成分測定等の操作方法について実技指導を行い、得られた結果をもとに総合的な水質評価の方法と考え方を学ぶ。また、生物処理や物理化学的処理に関する基礎的な実験を行い、物理化学処理についてはリンの凝集処理能・色素の吸着処理能の各項目の測定法を、生物処理については有機物除去能・活性汚泥の活性度について、その知識と技術を学ぶ。
【教育方法】
授業形態:実習・実技
配布資料を用いて実習方法について説明したのち、実験を行う。
【課題・レポート等へのフィードバックについて】
レポートについては採点後に返却し、また、質問等があった場合も含めて、必要に応じたフィードバックを行う。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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1~3回 | 【対面】 ガイダンス 実施内容の理解と調査・分析の準備 | 実習の概要説明、諸注意および環境調査と実習に使用する試薬の調製や器具類を準備する。また、現地測定のために使用するポータブル水質計の校正の方法を学ぶ。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 9/26③④⑤ |
4~6回 | 【対面】 環境調査 | 実際に河川に行き、現地にて採水を行うとともに一般水質項目の測定を行う。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 9/27③④⑤ |
7~9回 | 【対面】 環境水の分析(1) 一般細菌、大腸菌群、大腸菌、および腸球菌の測定① | 微生物学試験として、環境水の一般細菌、大腸菌群、大腸菌数、および腸球菌を平板培養法および特定酵素基質法にて測定する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 10/3③④⑤ |
10~12回 | 【対面】 環境水の分析(2) 一般細菌、大腸菌群、大腸菌、および腸球菌の測定② | 前日に培養した各細菌のコロニー数、最確数を測定する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 10/4③④⑤ |
13~15回 | 【対面】 環境水の分析(3) 硝酸/亜硝酸性窒素の測定 | 環境水の硝酸/亜硝酸性窒素を比色法によって測定する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 10/5③④⑤ |
16~18回 | 【対面】 環境水の分析(4) 懸濁物質(SS)、全有機炭素(TOC)/全窒素(TN)の測定 | 環境水の懸濁物質(SS)、および全有機炭素(TOC)/全窒素(TN)を測定する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 10/10③④⑤ |
19~21回 | 【対面】 環境水の分析(5) 各種金属元素の測定 | 環境水の環境基準項目にある金属元素を原子吸光法によって測定する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 10/11③④⑤ |
22~24回 | 【対面】 物理化学的水処理実験(1) 凝集沈殿処理による懸濁物質の除去実験 | カオリン懸濁液を処理対象水として、凝集沈殿処理実験を行い、適切な凝集剤添加量を分析する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 10/12③④⑤ |
25~27回 | 【対面】 物理化学的水処理実験(2) 凝集沈殿処理による懸濁物質の除去実験 | カオリン懸濁液を処理対象水として、凝集沈殿処理実験を行い、適切なpH条件を分析する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 10/17③④⑤ |
♦実務経験の授業への活用方法♦
政府機関の専門家として短期派遣された、タイ、ネパールでの環境問題、衛生問題に関する教育と調査、研究の経験と、政府専門委員や政府委託事業における研究、実務経験を踏まえ、開発途上国の環境問題、衛生問題の実際や、我が国の科学技術基本計画に基づく技術開発について解説する。
環境水等を対象に、細菌学的水質および化学的水質項目の測定方法をデザイン、かつ測定することができ、環境基準等と比較して、その水質を評価することができる。また、物理化学処理実験(凝集分離処理)のメカニズムを説明できる。
レポート(80%)および取り組み状況(20%)により評価する。レポートは、実験で得られたデータを正しく解析して理解しているかという点、また、その結果をもとに授業の目的に沿った考察ができているかという点を評価基準とする。
【授業時間外に必要な学習の時間: 4.5 時間】
予習:事前に配布する実習書の次回分についてよく読んで、不明なキーワードは書籍等で調べて予習すること。
復習:その日の実習内容について、得られた結果を取りまとめ、重要なキーワードを中心に復習したうえでレポートを作成すること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 適宜、プリントを配付する。 | ||
参考書 | (なし) |
科目ナンバリングコード:2年(環) 、3年HS304-EP07