科目責任者 | AMARASIRI MOHAN |
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担当者 | AMARASIRI MOHAN, 清 和成, 古川 隼士 |
科目概要 | 2年 (1単位・選択) [保健衛生学科] |
安全・安心な生活環境を創造、保全していく上では、環境中に存在する病原体や化学物質などの健康影響因子の理解と制御が不可欠である。本演習では、人間の水環境における化学物質及び微生物からの健康リスクを評価するための最初のステップである、水生環境における化学物質と微生物の濃度を定量化を行う。微生物の定量化には、培養ベースの技術と分子技術の両方を使用する。最後、評価した水環境に曝露されることによる人の健康リスクを評価し、所定のWHOガイドラインと比較する。また、オオミジンコがモデル生物として使用して、特定の環境水サンプルの急性毒性を評価する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の②に関連する。
【教育内容】
実環境水の採水・調査、細菌数および急毒性の測定方法について実技指導を行い、得られた結果をもとに総合的な水質評価の方法と考え方を学ぶ。また、定量的リスク評価アプローチを使用して、微生物や化学物質に曝露ことの健康リスクを定量化する。生物処理や物理化学的処理に関する基礎的な実験を行い、生物処理については有機物除去能・活性汚泥の活性度について、その知識と技術を学ぶ。
【教育方法】
授業形態:実習・実技
配布資料を用いて実習方法について説明したのち、実験を行う。
【課題・レポート等へのフィードバックについて】
レポートについては採点後に返却し、また、質問等があった場合も含めて、必要に応じたフィードバックを行う。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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1-3回 | 【対面】 ガイダンス、生物処理実験および物理化学処理実験の準備 | 実習の概要説明、諸注意および実習に使用する試薬の調製や器具類を準備する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 10/27③④⑤ |
4-6回 | 【対面】 環境水試料の微生物学的水質試験 | 微生物学試験として、環境水の一般細菌, 大腸菌群、および大腸菌数を平板培養法にて測定する。大腸菌群、および大腸菌数をコリラート法で測定する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 11/1③④⑤ |
7-9回 | 【対面】 環境水サンプルの分子生物学分析① | 環境水サンプルからのDNA抽出 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 11/2③④⑤ |
10-12回 | 【対面】 環境水サンプルの分子生物学分析② | 定量PCRを使用した16SrRNAの測定 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 11/8③④⑤ |
13-15回 | 【対面】 物理化学処理実験 凝集処理① | 環境水サンプルに最適な凝集剤濃度の評価 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 11/9③④⑤ |
16-18回 | 【対面】 物理化学処理実験 凝集処理② | 環境水サンプルに最適な凝集剤濃度の評価 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 11/15③④⑤ |
19-21回 | 【対面】 生物処理実験① 活性汚泥法による生物処理実験の開始 | 有機物および窒素成分の除去を目的とした活性汚泥法による生物処理実験をデザインし、開始する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 11/17③④⑤ |
22-24回 | 【対面】 生物処理実験② 活性汚泥法による生物処理の処理性能の評価 | 前日に開始した生物処理後の試料を回収し、有機物濃度、アンモニア性窒素等を測定し、その処理性能を評価する。 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 11/22③④⑤ |
25-27回 | 【対面】 環境水の毒性の評価① | オオミジンコを用いた環境水の毒性の評価 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 11/29③④⑤ |
28-30回 | 【対面】 環境水の毒性の評価② | オオミジンコを用いた環境水の毒性の評価 | 清 和成 古川 隼士 AMARASIRI MOHAN | 11/30③④⑤ |
◆実務経験の授業への活用方法◆
政府機関の専門家として短期派遣された、タイ、ネパールでの環境問題、衛生問題に関する教育と調査、研究の経験と、政府専門委員や政府委託事業における研究、実務経験を踏まえ、開発途上国の環境問題、衛生問題の実際や、我が国の科学技術基本計画に基づく技術開発について解説する。
水環境における人に対する健康影響因子として、病原微生物(細菌、ウイルス)や薬剤耐性菌などの病原体、化学物質の生態毒性の種類と評価法が説明できるようになる。また、生物(群集)機能を利用した浄化技術について概略を理解し、その適用条件などが説明できるようになることを到達目標とする。
レポート(80%)および取り組み状況(20%)により評価する。レポートは、実験で得られたデータを正しく解析して理解しているかという点、また、その結果をもとに授業の目的に沿った考察ができているかという点を評価基準とする。
【授業時間外に必要な学習時間: 10 時間】
予習:事前に配布する実習書の次回分についてよく読んで、不明なキーワードは書籍等で調べて予習すること。
復習:その日の実習内容について、得られた結果を取りまとめるとともに、重要なキーワードを中心に復習して理解に努めること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 適宜、プリントを配布する。 | ||
参考書 | (なし) |
科目ナンバリングコード:HS304-EP02