科目責任者 | 長谷川 智之 |
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担当者 | 長谷川 智之 |
科目概要 | 1年 (4単位・必修) [医療工学科 診療放射線技術科学専攻] |
本専攻に関わる分野で用いられる放射線物理学の基礎を学ぶ。重要事項を暗記するのみでなく、物理的な考え方、物事を論理的・定量的に分析・理解する能力、関連する演習問題を解答する能力を身につける。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③④⑤⑦に関連する。
【教育内容】
物理学の基礎、放射線の種類と基礎、相対性理論、量子論、原子モデル、原子核、放射線と物質の相互作用について学ぶ。
【教育方法】
授業形態:講義
教科書と配布資料に基づき授業を講義形式で行う。教育内容を理解するためには予習と復習が不可欠である。授業時間中に適宜質問等の時間を設けてフィードバックを図る。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 導入 | 授業の導入等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 4/12② |
第2回 | 【対面】 物理学の基礎 | プランク定数、真空中の光速、素電荷(電気素量)、アボガドロ数、次元、座標系、スカラーとベクトル、ベクトルの掛け算、質量、電荷、速度、加速度、力、エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギー、結合エネルギー、運動量、角運動量、保存則、波、振動、波長、位相、クーロン力、電場、磁場、ローレンツ力、電磁波等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 4/19② |
第3回 | 【対面】 放射線の定義と種類 | 放射線の定義、電離、励起、質量とエネルギー、等価原理、eV単位、直接電離放射線、間接電離放射線等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 4/26② |
第4回 | 【対面】 光子 | 光子、電磁放射線、質量、エネルギー、運動量、2重性、粒子性と波動性、素粒子、スピン等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 5/10② |
第5回 | 【対面】 質量を有する粒子 | 全エネルギー、運動エネルギー、静止エネルギー、運動量、特殊相対性理論、テイラー展開、非相対論的極限、クオーク、自然界の4つの相互作用等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 5/17② |
第6回 | 【対面】 相対性理論 | 特殊相対性理論、光速一定の原理、相対性の原理、静止座標系、運動座標系、ガリレイ変換、ローレンツ変換、一般相対性理論、質量とエネルギーの等価性等について学ぶ | 長谷川 智之 | 5/24② |
第7回 | 【対面】 原子(1) | 原子説、アトム、電子の発見、有核原子模型、古典論、前期量子論、量子論、量子条件(仮説)、プランクの量子論、光電効果、2重性、原子スペクトル、ボーアの水素様原子モデル、電子軌道、結合エネルギー、エネルギー準位、ドブロイ波等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 5/31② |
第8回 | 【対面】 原子(2) | 前期量子論、量子力学、シュレディンガー方程式、波動関数、量子数、主量子数、方位量子数、磁気量子数、スピン量子数、パウリの原理(排他律)、電子軌道、殻等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 6/7② |
第9回 | 【対面】 原子核の構造(1) | 安定な原子核と不安定な原子核、核子、同位体、同重体、同中性子体、核異性体、核力、原子核反応、統一原子質量単位、原子核質量、質量欠損、結合エネルギー、エネルギー準位、壊変図等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 6/14② |
第10回 | 【対面】 原子核の構造(2) | 原子核模型、殻模型、液滴模型、魔法数(マジックナンバー)、核子当たりの結合エネルギー、原子核チャート、原子核スピン、偶々核、角運動量とスピン、磁気モーメント等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 6/21② |
第11回 | 【対面】 原子核の変化(1) | 壊変の法則、遷移、放射能、指数関数的減衰、壊変定数、半減期、平均寿命、放射平衡等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 6/28② |
第12回 | 【対面】 原子核の変化(2) | 壊変の形式、α壊変、β壊変、γ線放出等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 7/5② |
第13回 | 【対面】 原子核の変化(3) | 壊変の形式、核子放出、核分裂、系列壊変、放射平衡等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 7/12② |
第14回 | 【対面】 補足 | 前期授業内容の補足について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 7/19② |
第15回 | 【対面】 まとめ | まとめについて学ぶ。 | 長谷川 智之 | 7/22後日掲示 |
第16回 | 【対面】 前記授業内容の復習 | 前記授業内容の復習について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 9/6② |
第17回 | 【対面】 X線の種類と発生原理 | 制動X線、特性X線、連続エネルギースペクトル、線エネルギースペクトル、モーズレーの法則、オージェ効果、蛍光収率、オージェ収率について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 9/13② |
第18回 | 【対面】 光子と物質の相互作用(1) | 干渉性散乱、トムソン散乱、レイリー散乱、光電効果、コンプトン散乱、非干渉性散乱、電子対生成、三電子生成、光核反応、運動学的計算、断面積、クライン-仁科の式等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 9/20② |
第19回 | 【対面】 光子と物質の相互作用(2) | 上記授業内容についてさらに学ぶ。 | 長谷川 智之 | 9/27② |
第20回 | 【対面】 光子と物質の相互作用(3) | 上記授業内容についてさらに学ぶ。 | 長谷川 智之 | 10/4② |
第21回 | 【対面】 光子と物質の相互作用(4) | 指数関数的な減弱、線減弱係数、質量減弱係数、吸収端、相互作用確率、線質、半価層等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 10/11② |
第22回 | 【対面】 光子と物質の相互作用(5) | 上記授業内容についてさらに学ぶ。 | 長谷川 智之 | 10/18② |
第23回 | 【対面】 電子・陽電子と物質の相互作用(1) | 弾性散乱、非弾性散乱、多重散乱、後方散乱、制動放射、チェレンコフ効果、陽電子消滅、消滅放射線、特性X線、オージェ効果、オージェ収率、蛍光収率、線スペクトル、制動X線、制動放射線、X線管、連続スペクトル、最短波長、デュエンハントの式等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 10/25② |
第24回 | 【対面】 電子・陽電子と物質の相互作用(2) | 上記授業内容についてさらに学ぶ。 | 長谷川 智之 | 11/1② |
第25回 | 【対面】 電子・陽電子と物質の相互作用(3) | エネルギー損失、阻止能、衝突阻止能、放射阻止能、質量質量衝突阻止能、質量放射阻止能、ベーテブロッホの式、ハイトラーの式、最小電離、臨界エネルギー、飛程、経路長、飛跡(軌跡)について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 11/8② |
第26回 | 【対面】 陽子・重荷電粒子と物質の相互作用(1) | 弾性散乱、多重散乱、非弾性散乱、チェレンコフ効果、原子核反応、阻止能、衝突阻止能、質量阻止能、質量衝突阻止能、飛程、飛跡(軌跡)、ストラグリング、核破砕反応、ブフッグピーク等について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 11/15② |
第27回 | 【対面】 陽子・重荷電粒子と物質の相互作用(2) | 上記授業内容についてさらに学ぶ。 | 長谷川 智之 | 11/22② |
第28回 | 【対面】 中性子と物質の相互作用 | 中性子線の分類、速中性子、熱中性子、冷中性子、弾性散乱、非弾性散乱、共鳴散乱、吸収、誘導核分裂、指数関数的減弱、中性子の発生について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 11/29② |
第29回 | 【対面】 補足 | 授業内容の補足について学ぶ。 | 長谷川 智之 | 12/6② |
第30回 | 【対面】 まとめ | 授業内容のまとめについて学ぶ。 | 長谷川 智之 | 12/13後日掲示 |
放射線に関わる物理現象について論理的かつ定量的に考え理解できる。重要事項を記憶するのみではなく演習問題を自分自身で解答できる。
定期試験100%により評価する。
【授業時間外に必要な学習の時間:120時間】
本科目の履修には基本的な物理学や数学の理解が不可欠なので、高校で物理を履修していない学生は高校の物理の教科書(文部科学省認定)等を入手して参考書として用いることをお勧めする。授業中に勉強するだけでは習得は困難なので必ず復習し着実に理解を積み重ねていくこと。必要な学習の時間については、理解度や得手不得手の個人差により一律には指定できないためあくまで目安である。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 診療放射線基礎テキストシリーズ 放射線物理学 | 鬼塚昌彦他著 | 共立出版 |
教科書 | アイソトープ手帳 ポケット版 | 日本アイソトープ協会編 | 丸善 |
参考書 | 放射線医学物理学 | 西臺武弘 | 文光堂 |
参考書 | 原子核物理学 | 永江知文、永宮正治 | 裳華房 |
科目ナンバリングコード: RT301-SF03