科目責任者 | 大場 謙一 |
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担当者 | 大場 謙一, 川上 文貴, 消防署救命救急士, 中災防トレーナー |
科目概要 | 3年 (1単位・必修) [保健衛生学科] |
働く人々の健康を守ること、良い健康状態を保つこと、更に健康状態を高めることは、生活するために必要である。様々な職場があり、職場環境ごとに異なる有害な要因(化学物質、粉じん、騒音、ストレス等)が存在し、労働者がその要因にさらされ続けた状態で働くと、その労働者に健康障害が現れ、病気になる可能性もある。本実習では、有害な要因にさらされて病気になることを防ぐための方法論を学び、労働者の健康を守る方法を習得する。作業環境管理と対応させ、適切な作業管理、健康管理・評価法の基礎を実習により修得する。作業環境管理は、作業環境管理学・演習・実習で学習するので、本実習では作業管理と健康管理に重点を置いて実施し、実社会での産業保健活動の実践能力を習得する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の②に関連する。
【教育内容】
産業衛生管理のうち健康管理、作業管理の理解を深めるために、健康評価法、有害物質の曝露量と代謝物測定、疲労調査について実習を実施する。また、救急法について講義と実務により実践的な能力を修得する。測定結果の評価の演習としてデータ処理演習を行う。できれば、現場の理解を深めるために工場見学を実施する。
【教育方法】
授業形態:実習・実技
項目のはじめに実習項目について説明を行い、実習書に基づき班単位で実習を行う。実習の課題等を回収後、次回にその模範解答を掲示する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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1~3回 | 【対面】 産業衛生管理学 実習ガイダンス 基礎人間工学 | 産業衛生管理学の3要素(作業環境管理、作業管理、健康管理)について実習内容を要説する。 快適作業を形成するため人間工学的手法を用いて人体の特徴と作業姿勢の分析法を理解し習得する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 6/7③④⑤ |
4~6回 | 【対面】 エネルギー代謝率測定 フリッカー検査疲労検査 健康質問表 | 作業負荷の評価としてエネルギー代謝率(RMR)の測定法を修得する。 VDT作業の視機能への負荷評価、疲労評価法を修得する。 質問紙による健康状態のスクリーニング法を習得する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 6/8③④⑤ |
7~9回 | 【対面】 心肺機能検査 | 塵肺等の職業性呼吸器障害の検査法としてレスピロメーターによる基本的な心肺機能の理解とその評価法を修得する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 6/9③④⑤ |
10~12回 | 【対面】 尿中三塩化物測定 | トリクロロエチレン等の塩化炭化水素系有機溶剤の尿中代謝物の測定法を修得し、その意義について理解を深める。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 6/14③④⑤ |
13~15回 | 【対面】 基礎労働衛生工学 | 局所排気装置を理解し、その評価を習得する。 局所排気装置模型を用いメンテナンスに必要な計測と評価を実習する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 6/15③④⑤ |
16~18回 | 【対面】 特殊健康診断・分子生物学的モニタリング | 化学物質による生体影響と曝露指標の分子生物学的スクリーニング検査法の基礎を実習する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 6/16③④⑤ |
19~21回 | 【対面】 救急法 | 一次救急、救急体制、救急用具等を理解し、止血法、人工呼吸法、心臓マッサージ等の実践実務を修得する。 | 消防署救命救急士 大場 謙一 川上 文貴 | 6/17③④⑤ |
22~24回 | 【対面】 健康測定(THP) | THP推進における健康測定の実際を修得する。(問診、医学的・運動機能検査、生活状況調査)健康状態の評価と増進について理解する。 | 中災防トレーナー 大場 謙一 川上 文貴 | 6/21③④⑤ |
25~27回 | 【対面】 騒音測定 聴力検査 | 騒音による生体影響について、聴力損失の評価法を修得する。騒音測定法を修得する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 6/22③④⑤ |
28~30回 | 【対面】 血中鉛測定 尿中δ-ALA測定 | 化学物質の曝露量と生体影響評価として鉛を例に測定の実際を実習する。 | 大場 謙一 川上 文貴 | 6/23③④⑤ |
◆実務経験の授業への活用方法◆
企業や公的機関における経験を基に、働く人々の健康を保持増進するための方法論を実習を通して教授する。
健康質問紙票による集団健康評価、有害因子の曝露・生体影響の評価方法、特殊健康診断とその意義を理解し、その実際の測定や評価方法を実習し実践能力を修得し、実践できる。
実習試験(80%)、レポート(10%)、実技試験(10%)により総合評価する。
各実習項目担当者による実習項目の終了試験を実施し、総合評価する。
【授業時間外に必要な学習時間: ‐ 時間】
労働衛生学I,II、産業衛生管理学、労働生理学の講義内容を復習して受講の準備をすること。各実習項目については、実習中の演習課題を参考書や実習中に提供された資料を参考にレポートにまとめ復習する。実習内容は、化学、物理学、生物学、生化学、分析化学、生理学等の応用なので一般教育部の自然科学科目や専門課程の講義科目(分析化学、生化学など)の内容を復習しておくこと。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 産業衛生管理学実習 (第10版) | 北里大学医療衛生学部衛生管理学教室編 | |
参考書 | 特殊健康診断のための検査法 | 関 幸雄 | |
参考書 | はじめの一歩のイラスト生化学・分子生物学 | 前野、磯川 著 |
科目ナンバリングコード: HS304-SS25