科目責任者 | 今井 忠則 (※) |
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担当者 | 今井 忠則 (※) |
科目概要 | 4年 (1単位・選択) [リハビリテーション学科 作業療法学専攻] |
本科目の目的は、作業科学(Occupational Science; OS)の基礎知識を身につけることです。OSは、「作業」を探求する独立した一つの学問分野であり、かつ、作業療法の基盤となる学問の一つです。「作業」の専門家である作業療法士にとって、OSの知識は非常に重要です。これまでの作業療法専門科目においても、OSの知識は随所に含まれていましたが、最終学年の本科目では、その知識を体系的に学び直し、さらに発展的に展開します。本科目を修了することによって、作業の視点から現象を理解する力が高まり、より豊かな発想に基づく作業療法を提供できる準備性が高まることが期待されます。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
作業科学(OS)の入門書籍を使用しながら、輪読会形式(皆で文献を読みその内容について意見を交わす方法:ゼミと同様)で、OSの歴史と学問的性質、作業を理解するための様々な視点・概念、OSの諸概念、OSと作業療法について学びます。
【教育方法】
授業形態:講義
演習(輪読会形式)を中心に討論、自己学習・グループ学習、講義、発表を組み合わせて行う(履修人数によって調整する)。
課題(レポート等)の提出はgoogle classroom上で行い、個別にコメント、または、次回の授業時に共通する見解や誤解などについてコメントし、フィードバックします。
なお、COVID-19対策のため、授業形態、日程、評価方法を変更する場合があります。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 作業科学とは | ・オリエンテーション ・作業科学の歴史と学問的性質を学び、議論する。 (作業の力、学問としての作業科学、学問的性質、作業の定義、他) | 今井 忠則 | 11/2③ |
第2回 | 【対面】 作業を理解するための視点・概念① | 作業を理解するための様々な視点・概念を学び、議論する。 (作業と引き起こされる感情、作業と世界との繋がり、作業と自分らしさ、他) | 今井 忠則 | 11/2④ |
第3回 | 【対面】 作業を理解するための視点・概念② | 作業を理解するための様々な視点・概念を学び、議論する。 (作業と生活の構造化、作業と健康との関連性、作業の社会的意味、作業の類型化、他) | 今井 忠則 | 11/9③ |
第4回 | 【対面】 作業科学の諸概念① | 作業科学で発展した諸概念について学び、議論する。 (作業の視点:作業の階層性、人類の進化と作業、個人の作業、集団の作業、他) | 今井 忠則 | 11/9④ |
第5回 | 【対面】 作業科学の諸概念② | 作業科学で発展した諸概念について学び、議論する。 (作業的存在:doing, being, becoming, belonging、作業的公正:公正と不公正、他) | 今井 忠則 | 11/16③ |
第6回 | 【対面】 ・作業科学の諸概念③ ・作業科学と作業療法① | ・作業科学で発展した諸概念について学び、議論する。 (作業科学に必要な視点、他) ・作業科学と作業療法の関係について学び、議論する。 (社会的状況の変化:健康概念、予防とヘルスプロモーション、OTの歴史とOS、他) | 今井 忠則 | 11/16④ |
第7回 | 【対面】 作業科学と作業療法② | 作業科学と作業療法の関係について、代表的な研究をベースに学び、議論する。 (作業療法における作業科学の応用:ストーリーテリング・メイキング、予防的作業療法、他) | 今井 忠則 | 11/30③ |
第8回 | 【対面】 作業科学と作業療法の将来 | これまでに学んだ知識を踏まえて、作業科学と作業療法の将来について議論する。 (作業的公正の可能化、作業中心の実践の普及とバリア、作業科学と作業療法の人類への貢献、他) | 今井 忠則 | 11/30④ |
◆実務経験の授業への活用方法◆
作業科学の知識に基づく作業療法実践および研究の実務経験を踏まえ、作業科学の知識が作業療法実践や研究にどのように応用されるのかを概説する。講師は作業療法士かつ作業科学の研究者であり、日本作業科学研究会(学会)の理事でもあります。
<知識>
・作業に関する様々な概念・視点を説明することができる。
・作業科学および作業科学の諸概念について説明することができる。
・作業科学と作業療法の関係について説明することができる。
<技能>
・文献を読み、自らの意見をまとめることができる。
・自分の意見を効果的に他者に伝えることができる。
・他者の意見を踏まえて、自らの考えをさらに深めることができる。
<態度>
・他者の意見を尊重して聴く態度を示す。
・建設的な意見交換をする態度を示す。
<総合>
・作業科学の知識を踏まえて、作業療法の将来について議論することができる。
演習への参加と発表(60%)、課題(40%)により評価
・本科目は、輪読会形式での授業を想定しており、授業時間は主に意見交換・討論に使用します。そのため、各回の教科書の該当部分を予習した上で講義に臨むことを必須とします。
【授業時間外に必要な学習の時間(計30時間)】
・各回の教科書の予習とまとめ:2時間(第2回〜第8回:計14時間)
・各回の復習と課題(レポート)作成:2時間(第1回〜第8回:計16時間)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 「作業」って何だろう;作業科学入門(第2版) | 吉川ひろみ | 医歯薬出版 |
参考書 | 作業科学;作業的存在としての人間の研究 | Ruth Zemke, Florence Clark, ed. (佐藤剛 監訳) | 三輪書店 |
科目ナンバリングコード: OT301-SC01