科目責任者 | 坂本 豊美 (※) |
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担当者 | 坂本 豊美 (※) |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [リハビリテーション学科 作業療法学専攻] |
精神医学の基本事項(代表疾患および治療、リハビリテーションの流れ)について確認する。
精神保健作業療法の評価、計画、実施に必要な知識を学び、各疾患へのアプローチ技術についても知る。
精神疾患者の作業面での特性やサポートを要する点について理解する。
精神疾患者への各自の理解と共感に基づいた態度を形成する。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
精神保健領域での作業療法の歴史、成立過程、関係する理論について理解し、精神科作業療法の概念を形成する。
症例・事例を提示しながら作業療法の1.治療理念 2.理論 3.評価 4.計画立案 5.治療実施 について理解する。
代表的疾患・障害について文献・症例および事例についての報告等を読み論考を行う。
臨床的記述(ドキュメント・スキル)について基本原則を理解し、記述を行う。
【教育方法】
授業形態:講義
教科書を中心に精神障害及び障害領域での作業療法の考え方を講義形式で理解する。
DVDなどの視聴覚教材を用いて対象者の疾患や生活障害のイメージを形成する。
レポート課題により、疾患についての基本的知識を確認する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 コースオリエンテーション 精神科作業療法の歴史・概念の変遷 | 1.精神科作業療法の歴史概観 (1)ヨーロッパでの変遷 (2)日本での変遷 精神障がい者の処遇と作業療法の関係を論じる。 2.基本原理-適応論を中心に- 精神科作業療法の基本原理として現実適応の過程について論考を試みる。また、作業行動の幻想機能に着目し、実際の作業療法での当事者および周囲の関係者への作用・影響を考察する。 3.モラルトリートメントからの系統. ピネルに始まり、呉秀三、現在に到る精神医療の系統的理解 | 坂本 豊美 | 4/14② |
第2回 | 【対面】 精神医療の歴史と作業療法 | 1.背景理論の変遷 様々な理論的影響を作業療法が受けていることを確認し、各理論の特性を確認する。 2.現在の精神科作業療法の課題,現状について 3.作業療法の過程概要 | 坂本 豊美 | 4/21② |
第3回 | 【対面】 精神科作業療法の実際 日常業務の流れ | 日常的な業務の内容と診療に際してよく参照されるモデルとして,回復段階論に即した治療及びクリニカルリーズニングについて概説する. | 坂本 豊美 | 4/28② |
第4回 | 【対面】 評価につてい① 定型的評価法 ・REHAB ・LASMI ・陽性症状陰性症状チェックリスト ・BPRS ・HRSD ・COPM ・BACS-J | 作業療法の評価の概要と注意点について学ぶ. 障害の特性やその他の関連する事柄(社会背景,心理特性など)について学ぶ. 査定技法として投影的技法,構成的技法について学ぶ. | 坂本 豊美 | 5/12② |
第5回 | 【対面】 評価について② 作業面接 観察 投影的査定技法 ・絵画 構成的査定 ・風系構成法 ・箱作り法 | 評価における情報収集と調査、意味づけについて学ぶ。 治療計画立案の際の適用と実施時の留意点について学ぶ。 評価においての面接、観察の項目と作業面接 検査 定型評価について学ぶ。 | 坂本 豊美 | 5/19② |
第6回 | 【対面】 対象者の疾患・障害についての特性理解 1 統合失調症① 障害概要 | 対象者の心理的,身体的,社会的及び魂の水準での特性について考察する. | 坂本 豊美 | 5/26② |
第7回 | 【対面】 対象者の疾患・障害についての特性理解 2 統合失調症② 作業療法 評価 治療仮説 リハビリテーション過程 | 総合失調症の生活障害について学ぶ | 坂本 豊美 | 6/2② |
第8回 | 【対面】 対象者の疾患・障害についての特性理解 3 感情障害(うつ病) 作業療法 評価 治療仮説 リハビリテーション過程 | 治療過程 リハビリテーション過程 作業療法過程 認知行動療法を中心として治療仮説について学ぶ | 坂本 豊美 | 6/9② |
第9回 | 【対面】 対象者の疾患・障害についての特性理解 4 人格障害 障害概要 作業療法 評価 治療仮説 リハビリテーション過程 | 治療過程 リハビリテーション過程 作業療法過程 社会療法を中心に治療仮説について学ぶ。 | 坂本 豊美 | 6/16② |
第10回 | 【対面】 対象者の疾患・障害についての特性理解 5 アルコール・物質関連障害 | 治療過程 リハビリテーション過程 作業療法過程 自助グループや節酒、代替薬物などの治療概念の変化も踏まえて治療についてまなぶ。 | 坂本 豊美 | 6/23② |
第11回 | 【対面】 対象者の疾患・障害についての特性理解 6 器質性精神障害 認知症 てんかん | 治療過程 リハビリテーション過程 作業療法過程 作業療法での注意点について学ぶ。 | 坂本 豊美 | 6/30② |
第12回 | 【対面】 対象者の疾患・障害についての特性理解 7 成人発達障害 | 成人発達障害の生きにくさに着目して,自助グループの活動を見ながら障害像の理解と介入,対処の方法を学ぶ. | 坂本 豊美 | 7/7② |
第13回 | 【対面】 地域生活を援助する活動について (対面) | DC、地域生活支援センター、就労支援、共同生活援助など地域生活をしている障害者への支援について学ぶ。 ACTについて概要を学ぶ. | 坂本 豊美 | 7/14② |
第14回 | 【対面】 作業療法の治療原理と作業遂行機能障害の関係について | 作業療法を構成する要素と、各要素を構造化する動因について、治療構造論を中心に検討を加える。 作業療法の方法、特性、領域、実際の臨床行動について作業療法の実際での事例を挙げながら学ぶ。 作業障害をどのように捉え、治療仮説につなげるかについて学ぶ。 | 坂本 豊美 | 10/20③ |
第15回 | 【対面】 精神科リハビリテーションの中の作業療法 | 病院リハビリテーションでの作業療法が精神科リハビリテーションの中でどのような役割を持つのか考察する。 講義を通しての振り返り,まとめを行う. | 坂本 豊美 | 10/20④ |
当授業は通年の授業であることに注意のこと。成績評価は後期の試験後に行われる。
レポート等の課題は,適宜フィードバックを行う.
◆実務経験の授業への活用方法◆
病院での臨床経験を踏まえ、精神科作業療法および地域資源での精神障害者リハビリテーションの実務内容を整理し、それらの価値や資源を活用する方向などについて明示的に伝える。
精神障害者について理解を深め、治療・援助に関する基礎知識および技術を獲得する。
自己の個性を理解し、治療的に自己を活用する基礎を作る。
精神疾患を通して人間への理解を深める。
精神障碍者の社会的不利について実際の事例を挙げて説明できる。
精神保健領域での作業療法、作業療法士の機能について説明できる。
講義内レポート:定期試験 1:4
試験点数 前期+後期
講義で取り上げる疾患について精神医学、臨床心理学の基本項目(症候論、防衛機制、薬理治療論,査定法等)について確認をしておく。
上記と講義の内容とを照らし合わせ、疑問があるときはすぐに質問する。
講義中は相互に議論を行うように心がけ、問題探索的態度で参加する。
専門用語に関するノートを作成する。
(授業以外に60時間の課題,及び精神医学,臨床心理学に関する自己学習)
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 精神障害領域の作業療法 | 石井良和・京極 真・長雄眞一郎 | 中央法規 |
参考書 | 精神障害と作業療法 第3版 | 山根 寛 | 三輪書店 |
参考書 | 作業治療学2 精神障害 作業療法学全書第5巻 改定第3版 | 富岡詔子 小林正義 | 協同医書出版 |
参考書 | 精神疾患の理解と精神科作業療法第2版 | 朝田 隆 中島 直 堀田英樹 | 中央法規 |
参考書 | 精神障害作業療法 | 香山明美 他 | 医歯薬出版 |
参考書 | はじめての精神科 第2版 | 春日武彦 | 医学書院 |
参考書 | 現代臨床精神医学 | 大熊輝雄 | 金原出版 |
科目ナンバリングコード: OT301-SS12