科目責任者 | 高橋 博之 (※) |
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担当者 | 高橋 博之 (※), 松本 俊英 (※) |
科目概要 | 2年 (2単位・必修) [医療検査学科] |
病理学は疾病を理解する上で基礎となる科目であり、用語の正確な意味、疾病の発症機構、病態、病理所見を理解する。
病理所見を正確に判断するために必要な特殊染色や免疫染色などの病理検査を知る。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の①②③に関連する。
【教育内容】
疾病を発症機構別に分けてそれぞれの病態を理解する。また、その病態の代表的な疾患について、それらの病理・臨床所見を知る。
【教育方法】
授業形態:講義
パワーポイントを使用した講義形式。Moodleで小テストを行う。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【オンデマンド】 細胞傷害 | はじめに病理学の歴史、病理学の発展に貢献した病理学者を解説する。次いで、変性、壊死、アポトーシス、萎縮の定義、代表的な疾患を説明する。 | 高橋 博之 | |
第2回 | 【オンデマンド】 修復、再生、線維化 | 創傷治癒を例にとって肉芽組織の形成過程を解説する。次いで、肉芽組織がどのように瘢痕に変わってゆくかを説明する。 | 高橋 博之 | |
第3回 | 【オンデマンド】 代謝障害(1)アミロイドーシス | アミロイドーシスの定義、原因、沈着部位、およびアミロイドの沈着によってどのような障害が起こるかを解説する。 | 高橋 博之 | |
第4回 | 【オンデマンド】 代謝障害(2)黄疸 | 黄疸の定義、原因、病理肉眼・組織所見、黄疸をきたす代表的疾患を解説する。次いで、ヘモクロマトーシスおよびウィルソン病はどのような代謝異常疾患であるか、さらにどのような症状が現れるかを説明する。 | 高橋 博之 | |
第5回 | 【オンデマンド】 代謝障害(3)糖尿病 | 糖尿病の定義、分類、原因、病理肉眼・組織所見、合併症を解説する。特に、糖尿病性腎症の病理を詳しく説明する。 | 高橋 博之 | |
第6回 | 【オンデマンド】 循環障害(1)局所性 | 出血、充血、血栓症、塞栓症、梗塞の定義、原因、病態を解説する。特に、血栓症、塞栓症については実際の疾患を例に挙げながらその帰趨を含めて説明する。 | 高橋 博之 | |
第7回 | 【オンデマンド】 循環障害(2)全身性 | 浮腫、側副循環、ショックの定義、原因、病態を解説する。梗塞についてはその代表的な疾患である心筋梗塞について、病理肉眼・組織所見を詳しく説明する。 | 高橋 博之 | |
第8回 | 【オンデマンド】 炎症(1)急性と慢性 | 急性炎症および慢性炎症の定義、原因、代表的な疾患を解説する。また、カタル性炎症、化膿性炎症、慢性増殖性炎、線維素性炎、偽膜性炎についても説明する。 | 高橋 博之 | |
第9回 | 【オンデマンド】 炎症(2)特異性炎 | 肉芽腫性炎の定義、原因、代表的疾患について解説する。とくに、結核、梅毒、ハンセン病、サルコイドーシスについては病理肉眼・組織所見を詳しく説明する。 | 高橋 博之 | |
第10回 | 【オンデマンド】 免疫異常 | 免疫学的組織傷害機構および分類について解説する。また、自己免疫疾患の代表的疾患である全身性エリテマトーデスについては血管病変および腎病変の病理組織所見を詳しく説明する。 | 高橋 博之 | |
第11回 | 【オンデマンド】 腫瘍(1)定義、良悪の鑑別 | 良性と悪性の腫瘍の定義について、例を挙げながら解説する。また、最新の癌の疫学を紹介し、現在の我が国における癌の趨勢を説明する。次いで、癌がどのように浸潤あるい転移するかを、実際の癌の例を示しながら示説する。 | 高橋 博之 | |
第12回 | 【オンデマンド】 腫瘍(2)癌の悪性度 | 癌の悪性度について解説する。すなわち、癌の中でも低悪性度から高悪性度のものまであり、それぞれの例を挙げながら、病理肉眼・組織所見を示説する。また、癌の病期、腫瘍マーカーの種類についても説明する。 | 高橋 博之 | |
第13回 | 【オンデマンド】 腫瘍(3)腫瘍発生原因 | 腫瘍発生について、その原因を解説する。すなわち、化学的発癌、物理学的発癌、微生物による発癌の実際の例を挙げながら病理肉眼・組織所見を示説する。特に、EBウイルス、ヒト乳頭腫ウイルスによる発癌については詳しく説明する。 | 高橋 博之 | |
第14回 | 【オンデマンド】 腫瘍(4)腫瘍の分子生物学 | 腫瘍の分子生物学について国家試験レベルの内容から最新の知見までを解説する。さらに、分子標的治療薬の進歩についても言及する。 | 松本 俊英 | |
第15回 | 【オンデマンド】 遺伝性疾患および小児病理 | 染色体異常による先天異常(ダウン症候群、エドワード症候群、クラインフェルター症候群、ターナー症候群、猫泣き症候群)について解説する。また、小児腫瘍の代表的疾患である 神経芽腫、肝芽腫、ウィルムス腫瘍について、その病理肉眼・組織所見を示説する。 | 高橋 博之 |
◆実務経験の授業への活用方法◆
病院での病理診断経験を踏まえ、疾病の発症機構、病態、病理所見を概説する。
1) 病理学の用語を正確に理解し、使いこなすことができる。
2) 重要疾患の発症機構、病態を説明できる。
3) 重要疾患の病理所見や臨床所見を説明できる。
1)まとめ期間の試験(90%) 2)受講態度(小テストの取り組みなど)(10%)、等を総合的に判断して評価する。
シラバスに記載されている講義内容の範囲の教科書を読み予習を行い、教科書と授業での配布するプリントで復習を行う(予習復習に計60時間)。初回の講義後、2回目からの講義前に前回復習用の小テストを行う。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 臨床検査学講座 病理学/病理検査学 | 松原修、他編 | 医歯薬出版 |
参考書 | ルービン カラー基礎病理学 | 河原栄、他監訳 | 西村書店 |
科目ナンバリングコード: ML201-SF06