科目責任者 | 大場 謙一 |
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担当者 | 大場 謙一, 棗田 衆一郎 (※) |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [保健衛生学科] |
化学物質管理に関する国内法規制は、これまでのハザード管理からリスク管理に移りつつあるが、その基礎となっている様々なリスクの捉え方と、リスク評価の考え方を理解し、産業職場で取り扱われる種々の化学物質の管理の基礎を修得する。そして、労働安全マネージメントシステムの実践による職場の作業者の化学物質曝露による健康リスクの評価の手法と対策につなげる実践力を身につける。
この科目は学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)の②に関連する。
【教育内容】
リスク管理の概念の形成の歴史と化学物質のリスク管理の国際的な変化と対応について概説する。そして、産業職場で取り扱われる化学物質の曝露による健康障害リスク評価の手法を解説し、行政および産業界におけるリスク管理の今後の方向性についても講義する。
【教育方法】
授業形態:講義
講義は基本的に講義形式であり、発表形式(パワーポイントおよびテキストを利用して行う)で行う。課題レポート1通を提出する。課題レポートは第15回で内容についてフィードバックおよび解説する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【対面】 リスクの概念 | リスクとは? ハザードとリスクの定義、生活の中のリスク、化学物質のリスクについて解説する。 | 大場 謙一 | 9/2② |
第2回 | 【対面】 リスク管理の歴史① | 国際条約・国際機構など、海外での化学物質の条約や法規制について紹介する。 | 棗田 衆一郎 | 9/9① |
第3回 | 【対面】 リスク管理の歴史② | 危険有害性分類と表示に関する世界調和(GHS)などの動きと今後の活用について解説する。 | 棗田 衆一郎 | 9/9② |
第4回 | 【対面】 リスク管理と法規制 | 日本における化学物質管理の法規制について紹介する。 | 棗田 衆一郎 | 9/16① |
第5回 | 【対面】 定量的リスクアセスメント① | 化学物質リスクアセスメント概論;化学物質のリスクアセスメントの種類、リスクアセスメントの進め方、定量と定性の違いについて解説する。 | 棗田 衆一郎 | 9/16② |
第6回 | 【対面】 定量的リスクアセスメント② | 有害性評価①:有害性評価の目標、有害性評価の基本的な概念、有害性情報の収集について解説する。 | 棗田 衆一郎 | 9/30① |
第7回 | 【対面】 定量的リスクアセスメント③ | 有害性評価②:有害性の種類、閾値のある場合の有害性評価値の決定方法、不確実係数、評価値の算出(演習)について解説する。 | 棗田 衆一郎 | 9/30② |
第8回 | 【対面】 定量的リスクアセスメント④ | 有害性評価③:閾値の無い有害性評価値の決定方法、スロープファクター、ユニットリスクについて解説する。 | 棗田 衆一郎 | 10/7① |
第9回 | 【対面】 定量的リスクアセスメント⑤ | 曝露評価:曝露経路、曝露の推定方法、曝露評価について解説する。 | 棗田 衆一郎 | 10/7② |
第10回 | 【対面】 定量的リスクアセスメント⑥ | リスク評価方法:リスクの判定方法、リスクコミュニケーションについて解説する。 実例:労働安全衛生法におけるリスク管理について紹介する。 | 棗田 衆一郎 | 11/4① |
第11回 | 【対面】 定性的リスクアセスメント① | 定性的リスクアセスメント手法①:ハザード評価、暴露評価、リスク評価方法について解説する。 | 棗田 衆一郎 | 11/4② |
第12回 | 【対面】 定性的リスクアセスメント② | 定性的リスクアセスメント手法②:パーソナルコンピュターモデルを使用した演習等を行う。 | 棗田 衆一郎 | 11/11① |
第13回 | 【対面】 化学物質によるリスク事例① | 国内外の環境に対する化学物質による事故事例を紹介する。 | 棗田 衆一郎 | 11/11② |
第14回 | 【対面】 化学物質によるリスク事例② | 職場での化学物質による事故事例を紹介する。 | 棗田 衆一郎 | 11/18① |
第15回 | 【対面】 生活環境や職場環境における健康リスクの管理について | 各講義を基に日常生活や労働環境における健康リスク管理の必要性について総括する。 | 棗田 衆一郎 | 11/18② |
◆実務経験の授業への活用方法◆
企業における経験を基に、産業職場で取り扱われる化学物質のリスク評価の基礎的理解について講義を行う。
リスク管理の基本的な考え方を理解し説明できる。
職場および社会生活における化学物質曝露による健康リスクの評価の手法について理解して説明できる。
有害性評価について算出方法を理解して、計算を実施できる。
化学物質に関する法規制について理解して説明できる。
定期試験(70%)、レポート(20%)、授業態度(10%)で評価する。課題レポートは第15回で内容についてフィードバックおよび解説する。
予習:あらかじめテキストの該当部分を読んで用語の理解をしておくこと。「リスク」に関する新聞記事を興味を持って読んでおくこと。
復習:講義で設営した該当部分のテキストおよびプリントを読み講義の内容の理解を深めること。
なお、予習・復習には60時間以上の時間を費やすこと。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | リスク管理学 | 北里大学医療衛生学部編 改訂5版 | |
参考書 | リスクってなんだ? -化学物質で考える- | 花井荘輔 | 丸善株式会社(2006年) |
科目ナンバリングコード: HS201-SS11