科目責任者 | 坂口 和也 (※) |
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担当者 | 坂口 和也 (※), 安冨 蔵人 (※) |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [医療工学科 診療放射線技術科学専攻] |
核医学検査技術学は非密封の放射性同位元素で標識した放射性医薬品を体内に投与するなどして、臓器組織の機能および病態の解明を行う検査技術を取り扱う学問である。核医学技術学Ⅱでは生体内投与した放射性医薬品からの放射線を体外計測するインビボ検査を詳しく取り上げ、その検査手技等を講義し、将来多くの学生が一度は従事するであろう核医学検査(インビボ検査)について必要な知識を身につける。
【教育内容】
核医学技術学Iを基に、検査の目的、用いる放射性医薬品とその集積原理(集積機序とも言う)、検査手技、画像解剖および臨床的意義を臓器ごとに学習し、核医学検査技術学の臨床的な項目について講義する。
【教育方法】
講義形式で実施する。プロジェクターによるスライド表示と口頭での解説で実施する。講義内で理解度を確認するため、小テストを実施する。
【遠隔講義(追記)】
感染症拡大に伴う遠隔講義措置より、上記実施内容をオンラインないし紙資料配布に置き換える。オフラインでの受講確認や理解度判定にはMoodle上の小テストを用いる。
オンライン接続の方法や小テスト実施などについては受講者に追って適宜連絡する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 【オンライン】 核医学検査概論1 | 核医学検査における管理区域での特徴や特殊性について、X線撮影領域との対比で理解し把握する。臨床での非密封放射性同位元素を用いる検査では、それらに係る診療放射線技師としての役割や取り組みについての理解を深める。 | 安冨 蔵人 | 5/21⑤ |
第2回 | 【オンライン】 全身検査における骨・関節および腫瘍・炎症について | 骨シンチグラフィおよびガリウムシンチグラフィについて習得し、画像解析および診断支援に係るインビボ検査の概念理解を補強する。 | 安冨 蔵人 | 6/4⑤ |
第3回 | 【オンライン】 中枢神経系領域1 | 脳血流における核医学検査には、様々なトレーサーが用いられる。脳血流シンチグラフィについて習得し、使用薬剤や検査目的、画像解析および診断支援に係る内容を国家試験問題と併せて解説する。 | 安冨 蔵人 | 6/11⑤ |
第4回 | 【オンライン】 循環器系領域1 | 心筋血流における核医学検査には、様々なトレーサーが用いられる。心筋血流シンチグラフィについて習得し、使用薬剤や検査目的、画像解析および診断支援に係る内容を国家試験問題と併せて解説する。 | 安冨 蔵人 | 6/18⑤ |
第5回 | 【オンライン】 循環器系領域2 | 心臓における核医学検査には、様々なトレーサーが用いられる。心臓に係るシンチグラフィについて習得し、使用薬剤や検査目的、画像解析および診断支援に係る内容を国家試験問題と併せて解説する。 | 安冨 蔵人 | 6/25⑤ |
第6回 | 【オンライン】 中枢神経系領域2 | 脳における核医学検査には、様々なトレーサーが用いられる。脳に係るシンチグラフィについて習得し、使用薬剤や検査目的、画像解析および診断支援に係る内容を国家試験問題と併せて解説する。 | 安冨 蔵人 | 7/2⑤ |
第7回 | 【オンライン】 内分泌系領域、消化器系領域 | 内分泌領域および消化器系領域における核医学検査には、様々なトレーサーが用いられる。甲状腺および副甲状腺、副腎や消化器系等に係るシンチグラフィについて習得し、使用薬剤や検査目的、画像解析および診断支援に係る内容を国家試験問題と併せて解説する。 | 安冨 蔵人 | 7/9⑤ |
第8回 | 【オンライン】 腎・泌尿器系領域 | 腎・泌尿器領域における核医学検査には、様々なトレーサーが用いられる。腎静態および腎動態シンチグラフィ(レノグラム)について薬物の排泄機構とともに習得する。使用薬剤や検査目的、画像解析および診断支援に係る内容を国家試験問題と併せて解説する。 | 安冨 蔵人 | 7/23⑤ |
第9回 | 【オンライン】 呼吸器系領域、センチネルリンパ節他 | 呼吸器系領域およびセンチネルリンパ節における核医学検査には、数種類のトレーサーが用いられる。肺血流および肺換気シンチグラフィ、センチネルリンパ節の特定を行うための使用薬剤や検査目的、画像解析および診断支援に係る内容を国家試験問題と併せて解説する。 | 安冨 蔵人 | 7/30⑤ |
第10回 | 【オンライン】 追加説明・まとめ | オンライン講義の理解度確認、オンデマンドで実施する小テストの解説と理解度の再確認を実施する。 | 安冨 蔵人 | 8/13⑤ |
第11回 | 【オンデマンド】 インビボ検査概論と骨・関節 | 代表的な核医学検査で、画像も比較的理解しやすい、骨シンチグラフィについて習得し、インビボ検査の概念理解を補強する。 | 坂口 和也 | |
第12回 | 【オンデマンド】 内分泌系 | 機能画像検査の特徴を色濃く反映した内分泌系(甲状腺、副甲状腺、副腎皮質・髄質)シンチグラフィについて、生理学的背景と併せて習得する。 | 坂口 和也 | |
第13回 | 【オンデマンド】 中枢神経系 (脳血流、神経受容体) | 三大疾病の2つを占める血液循環系の疾患のうち、脳血流に関しての核医学検査について習得する。また、血流を介した組織への薬物供給・排泄(薬物動態)について知識を深める。認知症やてんかん、精神疾患の病態把握など中枢神経受容体を対象とした核医学検査について学ぶ。 | 坂口 和也 | |
第14回 | 【オンデマンド】 循環器系 (心筋血流・代謝、心機能解析など) | 心筋血流、心筋梗塞、心筋脂肪酸代謝、心交感神経機能シンチグラフィおよび心筋PETについて習得する。心電図同期収集など、心拍出量や心駆出率等の心機能解析を行うための撮影法や解析方法ついて学ぶ。 | 坂口 和也 | |
第15回 | 【オンデマンド】 呼吸器系・消化器系、その他 | 肺血流シンチグラフィと肺換気シンチグラフィについて呼吸器系疾患とともに学ぶ。 唾液腺、消化管出血、肝・胆道、肝シンチグラフィについて検査の意義・手技などを学ぶ。 | 坂口 和也 |
◆実務経験の授業への活用方法◆
病院での臨床経験を踏まえ、核医学検査の目的、用いる放射性医薬品とその集積原理及び臨床的意義を臓器ごとに概説する。
実務経験を踏まえ、量的や時間的な感覚など教科書では伝わりづらい、現場の雰囲気・感覚を、概算値など用いて説明する。
各検査の生理学的背景や病理に基づく目的、放射性医薬品の種類と集積原理、検査方法、臨床的意義や検査結果画像を結び付けた、核医学検査技術学全体の知識を身に付け、説明できるようになる。
国家試験で例えれば、正しい選択肢を五者択一で当てられるだけで無く、誤りの選択肢についてもどの部分が誤りであるか指摘でき、引っ掛けなどの難問でも集積原理などから順序立てて正答を導き出せるところを到達目標とする。
遠隔講義で有ることを配慮し、小テストの結果や日常の取り組みを評価に用いる(100%)。
【遠隔講義への対応】
理解度の確認・評価は選択方式の小テスト(時間制限あり)を、オンデマンドで実施する(Moodle使用)。
60点以上など設定された目標点数に達するまで講義資料を読み返し、小テストを受けなおすこと。なお、合格点に達した後に更に受験し高得点を狙っても良い。
全講義分の小テストを受験し、目標点数を超えて修了した場合、必然的に合格となるので、定期試験のような再試験は実施しない。
小テストを反復し、目標点数以上を確保すること。
【授業時間外に必要な学習時間:60時間、平均4時間/回】
初回を除き、次回予定の講義資料を先に配布する。その資料のうち最初の数ページは検査各論の導入として、関係する解剖学・生理学等の基本的背景を記載している。この導入部は知っているものとして講義を進めるので、読み進めておくこと(1時間程度の予習)。また、連続する場合は除き、原則的に講義始めに前回講義の小テスト(マークシート形式)を実施するので、テスト対策を怠らず、小テスト後は自己採点と見直しを行うこと(3時間程度の復習)。
【遠隔講義への対応】
マークシート式の小テストをMoodle上の選択問題(時間制限あり)として、理解度を判断する基準とする。60点以上など設定された目標点数に達するまで講義資料を読み返し、小テストを受けなおすこと。なお、合格点に達した後に更に受験し高得点を狙っても良い(日常の取り組みとして評価に加える)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 2年次の教科書に合わせ、適宜資料等を追加配布する。 | ||
参考書 | 核医学検査技術学 改訂3版 | 佐々木雅之, 桑原康雄 | 南山堂 |
参考書 | 新 核医学技術総論「臨床編」 | 日本核医学技術学会 | 山代印刷 |
参考書 | 核医学ノート 第6版 | 久保敦司, 藤井博史, 橋本順 | 金原出版 |
参考書 | わかりやすい核医学 | 玉木 長良, 真鍋治 | 文光堂 |
参考書 | フルカラーCGで学ぶ 核医学検査のテクニック | 加藤千恵次, 孫田惠一, 杉森博行 | メジカルビュー社 |
参考書 | 超実践マニュアル 核医学 | 對間博之, 飯森隆志, 甲谷理温 | 医療科学社 |
参考書 | 核医学画像診断ハンドブック 改訂版 | 中嶋憲一 | エルゼビア・ジャパン |
参考書 | 新 放射化学・放射性医薬品学 | 佐治英郎, 前田稔 | 南江堂 |
参考書 | 最新臨床核医学 改訂第3版 | 久田欣一 | 金原出版 |
【オンライン】オンラインツールを用いて講義する。通常講義と同様、遅刻・欠席の無きよう。ログインについては実施前に教学ポータル等で連絡をする。
【オンデマンド】読んで理解(覚える)講義の特性を利用し、郵送配布する講義資料を読み進め、小テストで確認する形式を取る。小テストはMoodleを用い、制限時間を設ける。一定の基準を超えない場合、再度小テストを受け、次に進む形式を取る(計画的に実施すること)。
質問は随時受け付ける。遠隔講義の性質上、メールによる受付が主とする。解説は内容に応じて受講者全員に行うこともある。
オンデマンドにて、メール等による説明が困難な場合は、オンラインツールを利用した補講を設ける。出欠確認の有無は補講内容に応じて適宜設定する。
科目ナンバリングコード: RT301-SS15