科目責任者 | 村石 浩 |
---|---|
担当者 | 村石 浩, 坂口 和也 (※), 橋本 成世 (※) |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [医療工学科 診療放射線技術科学専攻] |
診療放射線技師を背景とした医療現場におけるさまざま機器(画像診断装置、放射線治療装置、及び医療情報ネットワークシステムなど)は、アナログ及びデジタル電気信号を巧みに取扱うことによりさまざまな「情報」を「伝達・提示・保存」することを可能としている。本講義では、これらを背景とした中で、とりわけ診療放射線技師国家試験における医用画像情報学に関連する内容について教授する。更に、医用工学や放射線計測学を背景としたアナログ、及びデジタル電気信号の役割について、いくつかの具体的なトピックスを挙げて解説する。
医用画像情報学に関する診療放射線技師国家試験問題レベルの基礎のほか、医用工学や放射線計測学を背景とした理工学基礎について教授する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
---|---|---|---|---|
第1回 | 情報の表現 | 情報システム・コンピュータで扱われる情報の単位、基数変換、数値データや文字データの表現方法、論理演算について解説する。 | 橋本 成世 | 4/4② |
第2回 | ハードウェア | コンピュータの種類や5大装置の基本的な動作原理について解説する。 | 橋本 成世 | 4/11② |
第3回 | ソフトウェア | ソフトウェアの分類と役割、プログラミング言語の種類とアルゴリズムの表記法について解説する。 | 橋本 成世 | 4/18② |
第4回 | ネットワーク技術 | 階層モデル(OSI参照モデル、TCP/IPモデル)と通信プロトコル(イーサネット、IP、TCP等)、ネットワーク機器(リピータ、L2スイッチ、L3スイッチ等)について解説する。 | 橋本 成世 | 4/25② |
第5回 | データの表現形式と医用画像フォーマット | テキストや静止画像、動画像等の表現形式と特徴、ランレングス符号化やハフマン符号化等の圧縮技術について解説する。DICOM imageの構成とDICOMヘッダについて解説する。 | 橋本 成世 | 5/9② |
第6回 | 医療情報システム | 電子カルテ等に代表される医療情報システム(HL7、HIS、RISなど)について知識を付ける。 | 坂口 和也 | 5/16② |
第7回 | 医療情報の安全管理 | 医療の電子化に伴う問題点とセキュリティ技術等の対応策について、情報セキュリティの3(+4)要素と対比して理解を深める。 | 坂口 和也 | 5/23② |
第8回 | 医用モニタの精度管理 | 画像診断に必須のモニタの精度管理や日常の定期点検について、その必要性も併せて学習する。 | 坂口 和也 | 5/30② |
第9回 | 論理回路 | 論理回路や論理式について、集合(ベン図)などを用いて解けるようにする。 | 坂口 和也 | 6/6② |
第10回 | アナログ信号の鮮鋭化と平滑化 | 医療機器から発生するアナログ電気信号の鮮鋭化(微分回路)と平滑化(積分回路)について理解する。また、1次元アナログ電気信号のフーリエ変換の意義について理解する。 | 村石 浩 | 6/13② |
第11回 | アナログ信号の変調と検波 | 音声データのような1次元アナログ電気信号の遠隔地への転送(変調と検波、AM・FMラジオの原理)について教授する。 | 村石 浩 | 6/20② |
第12回 | アナログ信号における「情報」の選定、及びデジタル信号の扱い | 波高弁別器、同時計数器、時間遅延器、ゲートジェネレータの原理を理解することで、放射線パルス(アナログ信号)の計測法を理解する。また、γ線エネルギースペクトル導出の際に用いられている反同時計数回路の原理を理解する。更に、FPGAの原理にも触れる。 | 村石 浩 | 6/27② |
第13回 | アナログ信号のデジタル化(ADC、TDC) | 放射線パルスのようなアナログ信号のデジタル化の方法(波高型ADC、積算型ADC、Flash ADC、TDC)、及びその医療応用について教授する。 | 村石 浩 | 7/4② |
第14回 | さまざまな断層撮像装置と画像再構成理論の基礎 | 断層撮影における画像再構成理論(単純投影法、フィルタ補正逆投影法、重畳積分逆投影法)について教授する。 | 村石 浩 | 7/11② |
第15回 | 画像再構成理論の医療応用 | さまざまな画像再構成法の医療応用について紹介する。更に、講義のまとめを行う。 | 村石 浩 | 7/18② |
診療放射線技師になる為に必要な医用画像情報学、及び関連分野に関する知識を修得する。
定期試験(100%)により評価を行う。
これまでに授業で学習した内容を理解しておくこと。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 講義時に必要に応じてプリント配布等を行う。 | ||
参考書 | 医用画像情報学 改訂3版 | 桂川茂彦 | 南山堂 |
参考書 | 医用画像工学 | 岡部哲夫・藤田広志 | 医歯薬出版 |
参考書 | 放射線計測学ハンドブック 第4版 | Glenn F. Knoll(木村逸朗・阪井英次 訳) | オーム社 |