Web Syllabus(講義概要)
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チーム医療論(演習含)Team Medical Care -Interprofessional Collaborations-
科目責任者伊藤 智夫
担当者伊藤 智夫, 岩村 正嗣 (※), 宮岡 等 (※), 渡邊 昌彦 (※), 坂東 由紀 (※), 厚田 幸一郎 (※), 有田 悦子, 吉田 一成 (※), 渋谷 明隆 (※), 伊勢田 明子 (※), 齋藤 有紀子, 田ヶ谷 浩邦 (※), 松永 篤彦 (※), 五味 勉 (※), 油谷 和子 (※), 渡邉 達也 (※)
科目概要1・3年 (1単位・必修) [健康科学科]
1・3年 (1単位・必修) [リハビリテーション学科 理学療法学専攻, 作業療法学専攻]
1・3年 (1単位・必修) [リハビリテーション学科 言語聴覚療法学専攻]
1・4年 (1単位・必修) [医療検査学科]
1・4年 (1単位・必修) [医療工学科 臨床工学専攻, 診療放射線技術科学専攻]
1・4年 (1単位・必修) [リハビリテーション学科 視覚機能療法学専攻]

授業の目的

近年の生命科学、医学の進展に伴って医療は急速に高度化・細分化している。また、疾病構造や人口構造も大きく変ってきており、医療は複数の医療専門職の知を結集して行わなければその実施は困難である。さらに、医療に対する社会のニーズも大きく変化してきており、単に病気を治すばかりでなく、どのように診断・治療が行われるかというプロセス、倫理的、心理的、社会的な側面も含めた対応が必要になる等、医療の質が大きく問われている。このように、患者を中心にした良質の医療を実践するためには、多種類の医療専門職の協働(チーム医療)が不可欠であり、そのための優れた人材の育成が急務である。
北里大学では、医療系の4学部と2専門学校を擁し、15に及ぶ医療専門職を育成する教育を展開している。また、大学附属の4つの病院と連携した臨床教育も大きな特徴となっている。このような環境のもとに、本講義では、チーム医療の構成員として自身の専門性を活かし積極的に医療に参画し、より安全で質の高い医療を実践できるように、医療の流れ、医療チーム構成員とその職能・役割、医療倫理をはじめとしてチーム医療に関する基本的知識を修得する。

教育内容・教育方法・フィードバック

日本の医療システム概要(保健福祉システムとの関連)、専門職種の理解(医療関連職種の職能、役割等)、疾患と医療チーム(医療現場で形成される医療チームとその構成員の連係プレーの具体例)、クリティカルパス、医療倫理、コミュニケーション論、先進医療におけるチーム医療の例等、チーム医療に関する共通認識を深めるための内容。

授業内容

項目授業内容担当者日時
第1回イントロダクション科目概要の説明、チーム医療の必要性とその意義、北里大学の医療系学部・専門学校とチーム医療教育の紹介伊藤 智夫
9/2⑤
第2回専門職種の理解-1理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内での位置付け松永 篤彦
9/9⑤
第3回専門職種の理解-2病院施設における様々な職種の役割およびそれらの職種がどのようなチームを構成し、医療の質と安全を保証しているかの解説油谷 和子
9/16⑤
第4回専門職種の理解-3健康科学科の概要と教育内容、取得可能資格、医療チーム内での位置付けおよび臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内での位置付け五味 勉
9/23⑤
第5回疾患と医療チーム-1北里大学病院の特徴と、チーム医療からみた北里大学病院の特徴岩村 正嗣
9/30⑤
第6回疾患と医療チーム-2北里研究所病院の特徴と、特にチーム医療病院実習渡邊 昌彦
10/7⑤
第7回疾患と医療チーム-3北里大学東病院の特徴とチーム医療宮岡 等
10/21⑤
第8回疾患と医療チーム-4北里大学メディカルセンター(KMC)の特徴と、地域医療支援病院におけるチーム医療(大学病院との相違等)坂東 由紀
10/28⑤
第9回腎代替医療における医療チーム腎代替医療、特に腎移植におけるチーム医療の大切さとその構成について解説吉田 一成
11/11⑤
第10回専門職種の理解-4薬剤師と法、6年制薬学教育の概要、医療環境の変化と薬剤師、チーム医療における薬剤師の仕事、薬剤師としての医療への貢献等厚田 幸一郎
11/18⑤
第11回専門職種の理解-5医療ソーシャルワーカーの役割、機能、権限および病院内医療チームおよび地域の保健福祉・医療チームとの連携の実際伊勢田 明子
11/25⑤
第12回保健・医療・福祉システム概要我が国の保健・医療・福祉システムについて、システム・成員の連携、外国との比較等田ヶ谷 浩邦
12/2⑤
第13回医療安全医療におけるリスクマネジメント渋谷 明隆
12/9⑤
第14回医療倫理臨床場面において患者さんの人権を尊重するチーム医療の倫理と、そこに生じるジレンマについて考える。齋藤 有紀子
渡邉 達也
12/16⑤
第15回チーム医療におけるコミュニケーション
専門職間のコミュニケーション、患者とのコミュニケーション、患者の心理、言語・非言語コミュニケーション等有田 悦子
1/6⑤
第1回
項目
イントロダクション
授業内容
科目概要の説明、チーム医療の必要性とその意義、北里大学の医療系学部・専門学校とチーム医療教育の紹介
担当者
伊藤 智夫
日時
9/2⑤
第2回
項目
専門職種の理解-1
授業内容
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士 の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内での位置付け
担当者
松永 篤彦
日時
9/9⑤
第3回
項目
専門職種の理解-2
授業内容
病院施設における様々な職種の役割およびそれらの職種がどのようなチームを構成し、医療の質と安全を保証しているかの解説
担当者
油谷 和子
日時
9/16⑤
第4回
項目
専門職種の理解-3
授業内容
健康科学科の概要と教育内容、取得可能資格、医療チーム内での位置付けおよび臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師の教育体系、役割、機能、権限、医療チーム内での位置付け
担当者
五味 勉
日時
9/23⑤
第5回
項目
疾患と医療チーム-1
授業内容
北里大学病院の特徴と、チーム医療からみた北里大学病院の特徴
担当者
岩村 正嗣
日時
9/30⑤
第6回
項目
疾患と医療チーム-2
授業内容
北里研究所病院の特徴と、特にチーム医療病院実習
担当者
渡邊 昌彦
日時
10/7⑤
第7回
項目
疾患と医療チーム-3
授業内容
北里大学東病院の特徴とチーム医療
担当者
宮岡 等
日時
10/21⑤
第8回
項目
疾患と医療チーム-4
授業内容
北里大学メディカルセンター(KMC)の特徴と、地域医療支援病院におけるチーム医療(大学病院との相違等)
担当者
坂東 由紀
日時
10/28⑤
第9回
項目
腎代替医療における医療チーム
授業内容
腎代替医療、特に腎移植におけるチーム医療の大切さとその構成について解説
担当者
吉田 一成
日時
11/11⑤
第10回
項目
専門職種の理解-4
授業内容
薬剤師と法、6年制薬学教育の概要、医療環境の変化と薬剤師、チーム医療における薬剤師の仕事、薬剤師としての医療への貢献等
担当者
厚田 幸一郎
日時
11/18⑤
第11回
項目
専門職種の理解-5
授業内容
医療ソーシャルワーカーの役割、機能、権限および病院内医療チームおよび地域の保健福祉・医療チームとの連携の実際
担当者
伊勢田 明子
日時
11/25⑤
第12回
項目
保健・医療・福祉システム概要
授業内容
我が国の保健・医療・福祉システムについて、システム・成員の連携、外国との比較等
担当者
田ヶ谷 浩邦
日時
12/2⑤
第13回
項目
医療安全
授業内容
医療におけるリスクマネジメント
担当者
渋谷 明隆
日時
12/9⑤
第14回
項目
医療倫理
授業内容
臨床場面において患者さんの人権を尊重するチーム医療の倫理と、そこに生じるジレンマについて考える。
担当者
齋藤 有紀子
渡邉 達也
日時
12/16⑤
第15回
項目
チーム医療におけるコミュニケーション
授業内容
専門職間のコミュニケーション、患者とのコミュニケーション、患者の心理、言語・非言語コミュニケーション等
担当者
有田 悦子
日時
1/6⑤

授業内容欄外

【学生へのメッセージ】
 チーム医療の必要性や意義を理解し、医療の場におけるチームワークが医療の質と安全性の向上、患者のQOLの向上に大きく貢献することを認識してほしい。本学のチーム医療教育プログラムは、15にも及ぶ医療専門職の教育を行っている大学ならではの特色ある教育プログラムであり、本講義で学んだ基礎知識とチーム医療に関する認識を、高学年で行う「オール北里チーム医療演習」、「チーム医療病院実習」、「国際チーム医療演習」等で存分に発揮して、社会に出てからの糧としていただきたい。

到達目標

1.チーム医療の必要性とその意義について説明できる。
2.本邦の保健・医療・福祉システムについて説明できる。
3.疾患と医療チームの特徴を関係づけることができる。
4.医療専門職種の専門性と役割について説明できる。
5.チーム医療における倫理、リスクマネージメント、コミュニケーションについて説明できる。
6.北里大学が目指すチーム医療に参画する自覚をもつことができる。

評価基準

毎回の課題レポートを総合的に評価する。なお、欠席は減点する。

準備学習等(予習・復習)

各学部および医療現場からの教員による講義(オムニバス方式、一部演習も含む)。主にパワーポイント、プリント等を用いる。参加人数が多い場合は、テレビ中継を利用して複数教室で実施する(講義終了後質疑応答の時間を設け、教育効果に配慮する)。
前回の講義内容の復習、とくにキーワードについて整理しておくこと。

教材

種別書名著者・編者発行所
教科書(なし)
参考書『実践 チーム医療論』 インタープロフェッショナル・ヘルスケア― 実際と教育プログラム水本清久、他 編著医歯薬出版
参考書IPWを学ぶ埼玉県立大学 編中央法規
教科書
署名
(なし)
著者・編者
発行所
参考書
署名
『実践 チーム医療論』 インタープロフェッショナル・ヘルスケア― 実際と教育プログラム
著者・編者
水本清久、他 編著
発行所
医歯薬出版
参考書
署名
IPWを学ぶ
著者・編者
埼玉県立大学 編
発行所
中央法規

備考・その他

医療衛生学部では、高学年で実施する「チーム医療演習」を受講しないと単位評価が出ません。
※対象:3HS、3PT、3OT、3ST、4ML、4CE、4RT、4OV
【チーム医療演習ガイダンス】
・チーム医療の重要性を理解し、チーム医療演習の目的・意義及び演習内容について理解する。
・チーム医療に関わる医療従事者の役割について理解する。
【チーム医療演習】 4月29日(月)・4月30日(火)

①チームで取り組む事例の療養過程を理解し、医療上の問題点を説明できる。
②患者や家族の意思や希望をふまえて、チームで目指すべき方向を検討できる。
③医療上の問題を解決していくために協働する職種を列挙できる。
④多職種協働の中で、自らの職種が担うべきことについて説明できる。
⑤各職種の専門性、役割および責任を相互に関連づけられる。
⑥他チームが取り組むチーム医療についての討議に積極的に参加できる。
⑦チーム医療の意義や課題を議論できる。
⑧チームの構成員とコミュニケートできる。