科目責任者 | 太田 久吉 (※) |
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担当者 | 太田 久吉 (※), 大場 謙一 (※) |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [健康科学科] |
労働は人間の基本的活動の一つである。労働生理学は労働と生理機能との関連を中心に研究する分野で、労働による内部環境のホメオスターシス(恒常性)への影響、適応、快適な労働条件、適切な労働時間、生理負荷の少ない交替制勤務、作業態様の変化と生体負荷の軽減、肉体および精神疲労の評価と対策、過労等について理解を深め、産業衛生管理における1種衛生管理者としての実践能力を習得することを目的とする。1種衛生管理者資格取得科目
労働あるいは運動と人体の生理機能との関連について概説し、さらに、栄養とエネルギー代謝、労働と体温調節、適切労働時間や生理負荷の少ない交替制勤務のあり方や、労働適応、疲労の軽減対策について実践的な内容を理解できるように講義する。また、生活習慣予防に関する生理学的対策についても講義する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 労働生理学概論 | 人体解剖、生理学、生化学に関する知識の確認とそれらの知識と労働とのかかわりについての概要を講義する。 労働態様、様式の歴史と生理学との関連についても解説する。 | 太田 久吉 | 4/8① |
第2回 | 労働衛生における生理学の理解の重要性について | 各講義内容を基に労働における生理学の理解の重要性を総合的に解説する。 | 太田 久吉 | 4/15① |
第3回 | 労働生理学の基盤と役割 筋骨格系の構造と仕組み、機能について | 労働生理学の歴史と重要性について解説する。 労働態様、様式と生理学との関連性、筋骨格系の構造と仕組み、機能について講義する。 | 太田 久吉 | 4/22① |
第4回 | 労働と運動、筋骨格系の機能について | 労働、運動における筋骨格系の働きについて概説する。エネルギー代謝、労働、運動に要するエネルギーの産生の機構について講義する。 | 太田 久吉 | 5/13① |
第5回 | 労働と栄養、活動エネルギー代謝について① | 労働、運動ともにエネルギーを必要とするが、その運動、労働の種類によるエネルギーの必要量、エネルギー代謝率(RMR)による労働負荷の評価について講義する。また、エネルー産生に必要な栄養素についても解説する。 | 太田 久吉 | 5/20① |
第6回 | 労働と栄養、活動エネルギー代謝について② | 労働、運動、日常生活におけるにエネルギー代謝と評価方法、労働の種類によるエネルギーの必要量、労働負荷についてエネルギー代謝率(RMR)やMETS指標による評価方法を解説する。 | 大場 謙一 | 5/27① |
第7回 | 環境条件による人体機能の変化 ①温熱環境下における生理 | 人体はエネルギーにより体温を恒常的に維持しているが、高温、低温下作業により、ホメオスターシスが保てなくなると、健康影響がおこる。このような生体の生理変化と生体の対応、障害について解説する。 | 大場 謙一 | 6/3① |
第8回 | 環境条件による人体機能の変化 ②異常気圧下における生理 | 異常気圧下での作業により引き起こされる健康影響と対策について講義する。 | 太田 久吉 | 6/10① |
第9回 | エネルギー代謝の測定と評価方法 | 労働負荷、運動負荷の評価方法、RMR,METsについて具体的な測定方法と評価方法について解説する。 | 大場 謙一 | 6/17① |
第10回 | 聴覚、視覚に関連した作業と労働態様による人体の機能の変化 | 視機能、聴覚機能に影響を及ぼす環境下での労働による健康影響と対策について講義する。 | 太田 久吉 | 6/24① |
第11回 | 労働態様による人体の機能の変化 | 静的筋労作、動的筋労作、作業強度、適応等について講義する。 | 太田 久吉 | 7/1① |
第12回 | 産業疲労とその予防 | 産業疲労の定義と種類、影響の現れ方について解説する。 | 大場 謙一 | 7/8① |
第13回 | 疲労の分類と評価法について | 産業疲労の分類と測定法、評価の考え方、疲労予防対策について解説する。 | 大場 謙一 | 7/12③ |
第14回 | 労働時間と交替制、夜勤による永代の影響について | 労働時間の歴史的流れ、各国における労働時間、フレックスタイム等について概説する。また、交替制勤務、夜勤の負担と生体リズムに及ぼす影響とその対策について講義する。 | 太田 久吉 | 7/12④ |
第15回 | 体力と労働、適性について | 労働における作業者の体力、老化、性差、適性について講義する。加齢、女性労働における配慮についても解説する。 | 太田 久吉 | 7/19③ |
* 基本的に講義は月曜日の1時限ですが、3,4時限の講義の日があるので注意してください。
人体の組織と機能(組織、血液、循環、呼吸、消化)、筋肉の機能、労働および運動とエネルギー、体温調節等の人体生理学を再認識し、労働によるホメオスターシスへの影響、適正な労働時間、交替制、ワークインターバル、疲労等を理解し、その対策について考えられる知識と実践の基礎を習得する事を目的とする。
講義中に実施する数回の知識確認ショートレポート(講義内容の理解程度の確認)と定期試験により評価を行う。原則として再試験は実施しない。
1・2年次で学んだ生物学、化学、生理学、生化学、解剖学の理解をより一層深めておくことが望まれる。講義資料や講義中の課題についてショートレポートや復習をすることで1,2年次で学んだ基礎知識と専門課程での繋がりを理解することに努める。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 適宜、講義資料のプリントを配布する。 | ||
参考書 | 講義の時に紹介する。 生理学、解剖学の講義のテキスト |