科目責任者 | 堀口 利之 |
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担当者 | 世良 時子 |
科目概要 | 2年 (2単位・必修) [リハビリテーション学科 言語聴覚療法学専攻] |
音声学では言語学的音声学の理論面を扱うが、同時に実習として、実際の発音と聞き取りの練習を行い、音声に関わるスキルの定着を目指す。また、音声学の理解を深めるために不可欠な音韻論の概要を説明するとともに実際の音韻分析の練習を行う。
言語学的音声学の概要を講義し、それが他の様々な音声学への入門となるようにする。音声の練習は、易しいものから難しいものへと進めるため、IPA の順序通りには行わないが、段々と難しくなっていくので、その都度復習を組み込み、定着を図る。また、音韻論は、概要を解説するとともに、実際に音韻分析を行う機会を設け、自分でデータを観察・分析する過程から、音声学・音韻論の理論への理解を促す。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 言語における音声 | ヒトのコミュニケーションと動物のコミュニケーション、音声の産出と聴取について学ぶ | 世良 時子 | 4/6④ |
第2回 | 音声と文字 | 記号体系としての言語における音声と文字の機能とその違いについて学ぶ 発音練習① | 世良 時子 | 4/6⑤ |
第3回 | 音産出機構の概要 | source-filter理論の概要、気流流出機構、発声機構、変調機構について学ぶ | 世良 時子 | 4/13④ |
第4回 | 子音と母音 | 子音と母音の違い、IPAでのそれぞれを決定する要素について学ぶ 発音練習② | 世良 時子 | 4/13⑤ |
第5回 | 構音点 | 下部構音器官と上部構音器官、二重構音、二次構音について学ぶ | 世良 時子 | 4/20④ |
第6回 | 構音法(1) | 狭めの度合いについて学ぶ 発音練習③ | 世良 時子 | 4/20⑤ |
第7回 | 構音法(2) | 側面的音声と中線的音声について学ぶ | 世良 時子 | 4/27④ |
第8回 | 構音法(3) | 流音、半母音について学ぶ 発音練習④ | 世良 時子 | 4/27⑤ |
第9回 | 母音 | 舌位の高低/前後、円唇母音と張唇母音、二重母音、母音連続について学ぶ | 世良 時子 | 5/11④ |
第10回 | 音韻論とは | 能記と所記、音素、音韻体系について学ぶ 発音練習⑤ | 世良 時子 | 5/11⑤ |
第11回 | ミニマルペアと相補分布 | 音韻的対立と音環境変異について学ぶ | 世良 時子 | 5/18④ |
第12回 | 音韻分析の実際 | 相補分布を用いた音韻分析の練習を行う 発音練習⑥ | 世良 時子 | 5/18⑤ |
第13回 | 音韻規則(1) | 基底形の設定、音韻規制の考え方、弁別素性、有標性について学ぶ | 世良 時子 | 5/25④ |
第14回 | 音韻規則(2) | 基底形の設定、音韻規制の考え方、弁別素性について学ぶ 発音練習⑦ | 世良 時子 | 5/25⑤ |
第15回 | オーバーラッピング、サンディ現象 | オーバーラッピングを含む複雑な音韻現象について学ぶ | 世良 時子 | 6/1④ |
第16回 | 構音点・構音法の復習 | 構音点・構音法と発音練習とのまとめを行う 発音練習⑧ | 世良 時子 | 6/1⑤ |
第17回 | 気流流出機構 | 肺気流とそれ以外の気流流出機構について学ぶ | 世良 時子 | 6/8④ |
第18回 | 発声機構 | 発声機構の構造と声帯振動の仕組みについて学ぶ 発音練習⑨ | 世良 時子 | 6/8⑤ |
第19回 | 喉頭機構 | 喉頭特徴、有声音と無声音、有気音と無気音、Voice Onset Time (VOT) について学ぶ | 世良 時子 | 6/15④ |
第20回 | 口鼻調節 | 閉鎖鼻音と他の鼻音性音声について学ぶ 発音練習⑩ | 世良 時子 | 6/15⑤ |
第21回 | プロソディー | 長さ、強さ、ピッチについて学ぶ | 世良 時子 | 6/22④ |
第22回 | 音のまとまり | 音節とモーラについて学ぶ | 世良 時子 | 6/22⑤ |
第23回 | アクセント(1) | 東京方言アクセントの体系(名詞)について学ぶ | 世良 時子 | 6/29④ |
第24回 | アクセント(2) | 東京方言アクセントの体系(動詞、その他)について学ぶ 発音練習⑪ | 世良 時子 | 6/29⑤ |
第25回 | アクセント(3) | 日本語諸方言のアクセント体系の概要について学ぶ | 世良 時子 | 7/6④ |
第26回 | イントネーション | イントネーションについて学ぶ 発音練習⑫ | 世良 時子 | 7/6⑤ |
第27回 | 形態論とは | 屈折形態論と語形成、接辞付加と重複、屈折語と膠着語について学ぶ | 世良 時子 | 7/13④ |
第28回 | 日本語形態音韻論(1) | 動詞の活用と音韻規則について学ぶ 発音練習⑬ | 世良 時子 | 7/13⑤ |
第29回 | 日本語形態音韻論(2) | 繁辞(copula)と形容詞形態論について学ぶ | 世良 時子 | 7/20④ |
第30回 | 総復習・発音テスト | 発音テストを行う。 音産出についての総まとめを行う。 | 世良 時子 | 7/20⑤ |
1)音声学・音韻論の理論を理解し、それを用いて、実際の言語現象を分析できるようになる。
2)自らの器官を意識的にコントロールし、目標の音声が発音できる。また、それが聞き取りに応用できる。
授業内での小テスト〔聞き取り含〕(40%)、実習への取り組み(10%)、授業内での発音テスト(10%)、定期試験時の筆記試験(40%)で評価する。
予習よりも復習を重視する。復習することが、翌週の小テストの準備につながる。また、音声の発音は、段階的に難しくなっていくので、毎回十分な復習を行うこと。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 言語聴覚士のための基礎知識ー音声学・言語学 | 編集 今泉 敏 | 医学書院 |
参考書 | 新ことばの科学入門 第2版 | G. J . ボーデン、K. S. ハリス、L. J . ラファエル著、廣瀬肇訳 | 医学書院 |
参考書 | 岩波講座言語の科学〈2〉音声 | 田窪 行則、窪薗 晴夫、白井 克彦、前川 喜久雄、本多 清志、中川 聖一 | 岩波書店 |
参考書 | 日本語の音声(現代言語学入門2) | 窪薗晴夫 | 岩波書店 |
参考書 | 日本語音声学入門 | 斉藤純男 | 三省堂 |
参考書 | 言語の構造 音声音韻編 | 柴谷方良 他 | くろしお出版 |
参考書 | 音声学 | パイク著、今井邦彦訳 | 研究社出版 |
参考書 | 音声学概説 | ピーター・ラディフォギッド著、竹林滋他訳 | 研究社出版 |
参考書 | 音声音韻(朝倉日本語講座3) | 朝倉書店 | |
参考書 | 基礎からの日本語音声学 | 福盛 貴弘 | 東京堂出版 |