科目責任者 | 坂口 和也 (※) |
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担当者 | 坂口 和也 (※) |
科目概要 | 2年 (2単位・必修) [医療工学科 診療放射線技術科学専攻] |
アナログやデジタル形式の医用画像が形成される原理および一般的な画像との間の類似点・相違点を理解し、高精度かつ不変性の高い医用画像を提供することが将来的な職責であることを意識し、基礎的な医用画像の評価法を習得することで、その後の医用画像処理や新技術に対する使用者側の評価などの礎とする。
主としてX線画像の生成についてアナログ画像とデジタル画像の両面から解説し、一般的な画像や写真との対比を行うことで、医用画像の特徴を講義する。さらに、画像評価や処理の基礎となるフーリエ変換等の直交展開および統計学的手法について小テスト等の演習を交え講義する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 画像工学概論 | 医用画像の形成について概要を理解し、画質と医療被ばくの相反問題について考える。 | 坂口 和也 | 4/12③ |
第2回 | アナログ画像生成原理 | フィルム・増感紙(蛍光体)を用いたX線の画像形成について習得する。 | 坂口 和也 | 4/12④ |
第3回 | デジタル画像生成原理 | デジタル画像機器(CR・FPD)を用いたX線の検出原理について習得する。 | 坂口 和也 | 4/19③ |
第4回 | デジタル画像概論 | フォトダイオードによる光の検出から2進数でのデータ格納まで高校「情報」で学んだ内容の復習と発展を行う。 | 坂口 和也 | 4/26③ |
第5回 | デジタル画像論(1) ~標本化・量子化~ | 画像のデジタル化(標本化・量子化)について理解する。 | 坂口 和也 | 5/10③ |
第6回 | デジタル画像論(2) ~圧縮・保存~ | デジタル画像の圧縮・保存法の手法や種類について知識を得る。 | 坂口 和也 | 5/17③ |
第7回 | デジタル画像論(3) ~画像の数学的変換~ | 離散コサイン変換、離散ウェーブレット変換、離散フーリエ変換など、画像で用いられる直交変換について概念を理解する。 | 坂口 和也 | 5/24③ |
第8回 | 客観的(物理的)画像評価(1)入出力特性 | 画像の濃淡を示す指標である、コントラストおよびその測定(特性曲線・センシトメトリー)について習得する。 | 坂口 和也 | 5/31③ |
第9回 | 客観的(物理的)画像評価(2)解像特性(実空間) | 画像の不鮮鋭を示す指標である、解像特性(解像力法など)の測定原理および結果解釈について理解する。 | 坂口 和也 | 6/7③ |
第10回 | 客観的(物理的)画像評価(3)解像特性(周波数空間) | 画像の不鮮鋭を示す指標である、解像特性のうち、周波数で画像を評価するMTFの測定原理および結果解釈について理解する。 | 坂口 和也 | 6/14③ |
第11回 | 客観的(物理的)画像評価(4)雑音特性 | 画像に含まれるノイズ量を評価する、雑音特性(RMS粒状度・WS)の測定原理および結果解釈について理解する。 | 坂口 和也 | 6/21③ |
第12回 | 客観的(物理的)画像評価 (5)総合的評価 | 画像の不鮮鋭およびノイズを信号対雑音比の概念を用いて、総合的に評価する方法(NEQ/DQE)を習得する。 | 坂口 和也 | 6/28③ |
第13回 | 主観的(視覚的)画像評価 (1)統計的な評価法 | 人の目による画像診断に立脚した、主観的評価理論・統計的決定理論について概念を理解する。 | 坂口 和也 | 7/5③ |
第14回 | 主観的(視覚的)画像評価 (2)ファントム撮影法 | C-Dダイアグラムやハウレットチャート法について撮影方法や評価法について習得する。 | 坂口 和也 | 7/12③ |
第15回 | 主観的(視覚的)画像評価 (3)ROC解析 | 主観的評価法の代表格であるROC解析を理解する。また、ROC解析に用いられる医療統計用ソフトウェアについて概略を知る。 | 坂口 和也 | 7/19③ |
医用画像の様々な評価法を習得することで、将来、臨床現場において受診者のリスクと便益の観点から、低被曝線量で情報量の多い画像を引き出せるような技術者になれることを目標とし、そのために必要な画像評価法および画像処理技術について知識レベルで説明できる。
定期試験(80%)および、講義中に実施する小テスト(20%)の重みで評価する。
出欠は学部規定に従い定期試験受験資格判定にのみ用いる。
X線(光子)と人体・X線検出器の相互作用を主として扱うことから、放射線系基礎科目と関連づけて学習を進めること。一方、画像評価では微積分、複素数、ベクトル・行列演算等の数学的概念が必要となることから、数学系科目の復習を行うこと。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 毎回、資料を配付する。 | ||
参考書 | 医用画像情報学 改訂3版 | 桂川茂彦 | 南山堂 |
参考書 | 標準 ディジタルX線画像計測 | 市川勝弘 | オーム社 |
参考書 | よくわかる医用画像工学 | 石田隆行 | オーム社 |
参考書 | 放射線写真学 | 大松秀樹 | 富士フィルムメディカル |
参考書 | 医用画像工学 | 岡部哲夫・藤田広志 | 医歯薬出版 |
診療放射線技師国家試験の「医用画像情報学」および「画像工学」に該当する科目であることから、十分な理解を促す目的で補講を実施することがある。