科目責任者 | 坂口 和也 (※) |
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担当者 | 坂口 和也 (※), 伊藤 喜弘 |
科目概要 | 2年 (2単位・必修) [医療工学科 診療放射線技術科学専攻] |
医用画像の中でもやや異色な核医学検査について、撮像原理と画像処理および装置の性能評価・保守管理の原理・方法などの機器工学的な側面から、内容や特殊性を理解し、それらの技術を知識として身につける。併せて、使用される非密封放射性核種(放射性医薬品)の種類や取扱いについても知識として身につける。
核医学検査に関する理工学的な基礎的知識を次の内容で講義する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 核医学概論 | 核医学検査の特徴や特殊性についてX線撮影系と対比で理解し把握する。 | 坂口 和也 | 9/5② |
第2回 | 核医学検査手技の実際 | 核医学検査の実際の状況を、検査風景や非密封放射線源の取り扱い等の裏側を写真で観ることで把握する。 | 伊藤 喜弘 | 9/12② |
第3回 | 診療放射線技師の役割と義務 | 医療倫理、被ばく低減・安全を守るための技術について認識し、併せて放射性医薬品の製造、品質管理、廃棄物の管理等についての知識を付ける。 | 坂口 和也 | 9/19② |
第4回 | インビトロ検査(生体外薬物・検体濃度定量解析) | 採血サンプル等を試験管内で分析するインビトロ検査の手技手法、検査項目についての知識を付ける。 | 坂口 和也 | 9/26② |
第5回 | インビボ検査(生体内薬物動態解析) | インビトロに対するインビボ検査として、薬物動態解析について原理・概要を理解する。 | 坂口 和也 | 10/3② |
第6回 | 核医学検査装置1 ガンマカメラ(1) | シンチレーション検出器の仕組みと、それをインビボ検査用に応用したシンチレーションカメラの構造について知識を得る。 | 坂口 和也 | 10/10② |
第7回 | 核医学検査装置2 ガンマカメラ(2) | コリメータの種類と性能、シンチレータ、光電子増倍管および位置計算回路について仕組みを知ることで核医学の画像化原理を理解する。 | 坂口 和也 | 10/17② |
第8回 | 核医学検査装置3 SPECT装置 | SPECT装置(収集)とSPECT-CT装置について、断面像の取得方法を中心に理解する。 | 坂口 和也 | 10/24② |
第9回 | 核医学検査装置4 PET装置・その他 | PET装置とPET-CT装置や試料測定装置、ガンマプローブ等について知識を得る。 | 坂口 和也 | 10/31② |
第10回 | 核医学撮像原理1 静態画像・全身画像収集 | 静態画像収集、全身画像収集および二核種同時収集について、その手技を把握する。 | 坂口 和也 | 11/7② |
第11回 | 核医学撮像原理2 非静態画像収集・断層撮像 | シンチレーションカメラを用いた各種撮影法・手技について理解を深める。 | 坂口 和也 | 11/14② |
第12回 | 核医学画像処理1 フィルタ処理 各種補正法 | 画像ノイズの低減や各種補正など、画質を乱す因子とその補正手段について理解する。 | 坂口 和也 | 11/21② |
第13回 | 核医学画像処理2 画像再構成法 | 断面像を作成する手段として、フィルタ補正逆投影法および逐次近似画像再構成法の理論および特徴について理解する。 | 坂口 和也 | 11/28② |
第14回 | 装置の性能評価、保守管理 | 核医学検査装置の性能評価と保守管理の方法・原理について、その必要性や重要性を把握し、理解する。 | 坂口 和也 | 12/5② |
第15回 | 放射性医薬品 放射性廃棄物の管理 | 放射性医薬品の製造、品質管理、廃棄物の管理等について、放射性核種を安全かつ有益に使用する観点を軸に理解する。 | 坂口 和也 | 12/12② |
1)核医学検査装置(撮像原理と画像処理、装置の性能評価と保守管理)について具体的に説明できる。
2)放射性医薬品を用いたインビトロ検査の原理・手技について具体的に説明ができる。
3)インビトロ検査の位置づけを理解し、核医学技術学IIで深く学ぶインビボ検査を理解するための基礎として把握する。
4)非密封の放射性同位元素を取り扱うことについて、危険性や汚染防止などの十分な配慮について再認識する。
到達目標の1- 2)の評価は主に定期試験(75%)とし、講義中の課題や小テストの結果(25%)を日常の取り組みとして評価に加える。
3- 4)に関しては、定期試験に5%程度含めることで、本科目の評価とする。主たる評価は別の科目や実習において行う。
なお、出欠は学部規定に従い、定期試験受験資格の判定にのみ用いる。
核医学技術学は臨床応用に向けた学問であり、放射性医薬品やその取扱いについては、放射化学・放射線管理学の知識が必要であり、核医学検査装置については放射線計測学(主にシンチレーション検出器・半導体検出器)の知識が必要となる。また、画像処理に関しては画像工学・画像情報学(フーリエ変換・周波数解析)が、画像解析では応用数学(微分方程式)が基礎知識として必要となる。
応用分野の学問は基礎があって成り立つものなので、上記の科目について事前に予復習をしておくこと。また、講義後は臨床応用の観点から基礎を見つめなおすことで、基礎科目の理解をさらに深め、その関連性を重視し放射線診療技術に関する知識体系を確立できるよう復習に努めること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 核医学検査技術学 改訂3版 | 佐々木雅之, 桑原康雄 | 南山堂 |
参考書 | 核医学技術総論 | 日本核医学技術学会 | 山代印刷 |
参考書 | 標準 核医学画像評価 (放射線技術学スキルUPシリーズ) | 日本放射線技術学会, 大西 英雄 | オーム社 |
参考書 | 核医学イメージング (MEシリーズ) | 藤林靖久, 天野昌治 | コロナ社 |
診療放射線技師国家試験の「核医学検査技術学」に該当する科目であることから、十分な理解を促す目的で補講を実施することがある。