科目責任者 | 稻岡 秀検 (※) |
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担当者 | 稻岡 秀検 (※) |
科目概要 | 3年 (2単位・必修) [医療検査学科] |
生体情報の収集に必要な、電気・電子工学の基礎について理解する。ついで生体情報の分析・解析に必要となる計算機、ネットワークシステム等の情報科学の基礎について理解する。生体の物理的特性を習得した後で、それらの性質を利用した測定用トランスデューサの原理、記録装置・表示装置の周波数特性などの生体計測装置学の基礎を習得する。最後に、安全な生体情報の計測のために、生体の電気的安全についての理解を深める。
電気工学の範囲として、直流回路の基礎、交流回路の基礎を学ぶ。次いで電子工学の範囲として、半導体素子、演算増幅器を用いた回路、変調による通信について学ぶ。情報科学の範囲として論理演算の基礎、アナログ・ディジタル変換、コンピュータのハードウェア・ソフトウェアの基礎、ネットワークおよび情報システムの基礎について学ぶ。生体物性の範囲として、生体の力学的特性、電気的特性、超音波に対する特性について学ぶ。生体計測装置学の範囲として、各種トランスデューサの特性、記録装置・表示装置の周波数特性について学ぶ。最後に全体をまとめ、生体の電気的安全について学ぶ。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 医用工学の概要、電気工学の基礎 | 臨床検査における医用工学の役割について学ぶ。さらに電気工学の基礎について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 4/12① |
第2回 | 直流回路 | 直流回路の基礎であるオームの法則、キルヒホッフの法則について学ぶ。さらにブリッジ回路の平衡条件、ジュールの法則、電力の求め方について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 4/19① |
第3回 | 交流回路 | 交流波形の基本要素である周波数、振幅、位相について学ぶ。また実効値の概念と交流回路における抵抗(インピーダンス)の概念について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 4/26① |
第4回 | CR回路の時定数と遮断周波数 | CR回路の過渡応答と時定数について学び、さらにCR回路の周波数特性と遮断周波数の関係について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 5/10① |
第5回 | 半導体と増幅器 | 半導体、ダイオード、トランジスタの構造と原理を学ぶ。また増幅の概念、増幅度、増幅器の周波数特性、入力インピーダンス・出力インピーダンスについて学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 5/17① |
第6回 | 演算増幅器を使用した回路 | 負帰還回路、差動増幅器の基本的な性質について学ぶ。ついで演算増幅器を用いた反転増幅器、非反転増幅器、微積分回路について学び、さらに安定化電源、各種フィルタについても学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 5/24① |
第7回 | 変調回路・デジタル回路 | 遠隔測定に必要な変調・復調の概念を学ぶ。またデジタル回路に必須であるブール代数、論理回路について学び、応用回路であるマルチバイブレータについても学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 5/31① |
第8回 | 情報科学の基礎・AD変換 | 情報科学の基礎である2進法、論理演算について学ぶ。さらにアナログ・デジタル変換とサンプリング定理について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 6/7① |
第9回 | コンピュータとネットワーク | コンピュータの基本構造、各種ハードウェア、各種ソフトウェアについて学ぶ。またネットワークの基本的な仕組みを学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 6/14① |
第10回 | 情報システム | 情報システムの基礎について学び、ネットワークのセキュリティについて学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 6/21① |
第11回 | 記録装置・表示装置 | 記録器の構造と原理、表示器の構造と原理について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 6/28① |
第12回 | 生体物性 | 生体の電気的・機械的性質、生体の超音波・熱・光に対する性質、生体の磁気・電磁波に対する性質について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 7/5① |
第13回 | 生体からの情報収集 | 生体の物理・化学現象と各種変換装置の構造と原理について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 7/12① |
第14回 | 生体現象計測記録装置 | 測定電極と入力インピーダンスの関係について学び、各種生体現象計測記録装置の仕様について学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 7/12④ |
第15回 | 安全対策 | 安全対策の基本について学ぶ。さらに電気点安全の概念と安全に関する測定技術について学ぶ。最後にシステムの安全についても学ぶ。 | 稻岡 秀検 | 7/19① |
1.電気・電子工学の基礎を理解できる。
2.増幅の概念を理解し、周波数特性について説明することができる。
3.各種計測機器の原理を理解し、計測装置の特性について説明できる。
4.AD変換について理解し説明することができる。
5.コンピュータのハードウェア・ソフトウェアについて例をあげて説明できる。
6.ネットワーク・情報システムの仕組みを説明することができ、セキュリティについても説明できる。
7.各種安全対策、特に電気的安全について理解し、実践できる。
8.後期の「医用工学実習」を行うための知識を習得する。
定期試験により評価する。
予習
あらかじめ教科書および参考書をよく読んでおくこと。次回の講義範囲を予習し、専門用語の意味などを理解しておくこと。
復習
授業後、配布したプリントの内容を復習し、自ら計算などができることを確認すること。本講義は、医用工学実習と連携しているので、講義の内容を理解して実習に参加すること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 医用工学概論 | 嶋津秀昭ほか | 医歯薬出版 |
教科書 | 最新臨床検査学講座 情報科学 改訂新版 | 松戸隆之 | 医歯薬出版 |
参考書 | 臨床工学技士のための基礎電子工学 | 稲岡秀検ほか | コロナ社 |
参考書 | わかりやすい電気基礎 | 増田英二編著 | コロナ社 |
参考書 | 医用電気工学 | 日本エム・イー学会監修 | コロナ社 |