科目責任者 | 土屋 紅緒 (※) |
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担当者 | 土屋 紅緒 (※) |
科目概要 | 2年 (2単位・必修) [医療検査学科] |
臨床検査技師を志す者にとって病理検査学の知識は必要不可欠であり、臨床検査技師国家試験における病理学出題数の約7割を占める重要な項目である。病理標本の作製技術および各種染色法の病理診断における意義を理解することにより、国家試験問題へ容易に取り組むことができるレベルの知識を身につける。
概論として病理検査室業務の紹介を行う。病理検査に必要な基礎知識として、病理解剖、組織の固定・薄切法、各種染色法の原理、方法、結果の解釈と病理診断への応用について講義する。
回 | 項目 | 授業内容 | 担当者 | 日時 |
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第1回 | 病理検査概論 | 病理検査室業務を紹介するDVDを視聴し、本講義で学ぶべき病理検査技術の全体像を把握する。 | 土屋 紅緒 | 4/9④ |
第2回 | 病理解剖 試薬の管理 標本作製の概要 | 病理解剖の目的と臨床検査技師の役割、検査で扱う有害物質の管理について学ぶ。病理組織標本作製の流れを理解する。 | 土屋 紅緒 | 4/16④ |
第3回 | 標本作製法(1) 切り出しと固定 | 検体組織の切り出しについて、要点や注意事項を学ぶ。 固定液の種類と組成、特徴を理解する。 | 土屋 紅緒 | 4/23④ |
第4回 | 標本作製法(2)脱灰と包埋 | 脱灰の手順と注意事項、各種脱灰液の特徴を学ぶ。包埋剤の種類およびパラフィン包埋の手順を理解する。 | 土屋 紅緒 | 5/7④ |
第5回 | 標本作製法(3) 薄切 凍結標本の作製法 | ミクロトームの種類と特徴、パラフィンブロック薄切時の注意事項を学ぶ。迅速標本作製の目的と標本作製法について学ぶ。 | 土屋 紅緒 | 5/14④ |
第6回 | 染色法総論 基本染色法 | 染色の目的と染色前後の操作について学ぶ。HE染色の原理と用いる試薬について学ぶ。 | 土屋 紅緒 | 5/21④ |
第7回 | 特殊染色法(1) 膠原線維の染色法 弾性線維の染色法 | 膠原線維の染色(アザン・マロリー、マッソン・トリクローム)および弾性線維の染色(エラスチカ・ワンギーソン)について、染色目的と原理、試薬、染色結果を理解する。 | 土屋 紅緒 | 5/24③ |
第8回 | 特殊染色法(2) 細網線維の染色法 多糖類の染色法 | 細網線維の染色(渡辺の鍍銀、PAM)および多糖類の染色(PAS、アルシアン青、トルイジン青)について、染色目的と原理、試薬、染色結果を理解する。 | 土屋 紅緒 | 5/28④ |
第9回 | 特殊染色法(3) 脂質の染色法 核酸の染色法 アミロイドの染色法 線維素の染色法 | 脂質染色の注意事項と染色法(ズダンⅢ、ナイル青)について学ぶ。核酸の染色法(メチル緑・ピロニン)、アミロイドの染色法(コンゴー赤)、線維素の染色法(PTAH)について、染色目的と結果を学ぶ。 | 土屋 紅緒 | 6/4④ |
第10回 | 特殊染色法(4) 組織内病原体の染色法 組織内無機物質の染色法 | 組織内病原体の染色法(グロコット、チール・ネルゼンなど)と組織内無機物の染色法(ベルリン青、コッサ)について、染色目的、用いる試薬、染色結果を学ぶ。 | 土屋 紅緒 | 6/11④ |
第11回 | 特殊染色法(5) 神経組織の染色法 生体内色素の染色法 | 神経組織の染色法(クリューバ・バレラ、ボディアンなど)および生体内色素の染色法(マッソン・フォンタナ、シュモール反応)について、染色目的、用いる試薬、染色結果を学ぶ。 | 土屋 紅緒 | 6/14③ |
第12回 | 組織化学染色(1) 免疫組織化学染色 | 酵素抗体法について、染色原理を理解し、染色方法、染色結果の解釈とトラブルシューティングを学ぶ。 | 土屋 紅緒 | 6/18④ |
第13回 | 組織化学染色(2) 遺伝子の染色法 | in situ hybridization法およびFISH法について、目的と原理を理解し、染色方法、染色結果の解釈を学ぶ。 | 土屋 紅緒 | 6/25④ |
第14回 | 病理検査と病理診断 | 病理診断における特殊染色の役割について、症例を提示して解説する。種々の疾患の病態と染色結果の関連を理解する。 | 土屋 紅緒 | 7/2④ |
第15回 | 病理検査学統括 | 第1回~第14回の講義内容のうち、国家試験で頻出される事項について再度解説を行い、知識の定着を図る。 | 土屋 紅緒 | 7/9④ |
①固定、脱灰、薄切、凍結標本作製法など、病理組織標本作製の目的や要点を説明できる。
②各種染色法の目的、原理、注意点を理解し、各種疾患の病態と染色結果を関連付けて考察できる。
③臨床検査技師国家試験レベルの問題に積極的に取り組める。
評価は、講義時間内に行う小テスト (15%) 、および定期試験 (85%) の総合評価とする。
重点事項の理解を容易にするために、事前に教科書で授業内容の概要を把握しておくこと。また、病理検査学の理解を深めるには、組織学および病理学の知識と関連づけながら学習することが必須であるため、講義で触れた内容について各科目の教科書や参考書(カラーアトラスなど)で随時復習すること。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 最新臨床検査学講座 病理学/病理検査学 | 松原 修 | 医歯薬出版 |
参考書 | 最新 染色法のすべて (Medical Technology別冊) | 医歯薬出版 |
第7回は5月24日(木)3限、第11回は6月14日(木)3限です。